その144(2019年6月号)
- 爪の水虫がなかなか治らないのですが
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爪にできる水虫のことを「爪白癬」といいます。爪が肥厚し難治性の水虫のことで、市販薬では対処ができません。
通常、飲み薬や爪専用の塗り薬が治療の中心で医師に処方してもらう必要があり、治療に時間がかかります。
爪の水虫(爪白癬)とは
原因は白癬菌!
水虫の原因は白癬菌(はくせんきん:真菌というカビの一種)で、皮膚の角質や毛、爪などに寄生して病気を引き起こします。白癬菌の感染は、足や爪に多く起こります。爪にできる水虫のことを一般的に「爪白癬」と言います。爪白癬は、足に感染した白癬菌が爪の中まで広がって起こります。
爪白癬の自覚症状は少なく気が付かないため、まわりの人に水虫をうつす感染源になる!
爪白癬は、足の指と指の間がふやける・足がかゆいといった水虫とは違い、爪の色や形、厚みなどに変化があらわれます(下図参照)。かゆみや痛みなどの自覚症状が少ないため、気づかないことが多いのが特徴です。爪白癬は、医師の診断があって適切な治療をしないと治らず、まわりの人に水虫をうつす感染源になります。
爪水虫にかかった爪
爪水虫の患者さんの多くにみられる病型。爪の先端や側縁部から白色~黄色に濁り、しだいに肥厚する。症状が進行すると肥厚した部分がぼろぼろと欠けてくる。
白癬菌が爪の表面に直接侵入して発症する珍しい病型。爪の表面が点状あるいは斑状に白く濁る。
爪の濁った部分がくさび形(縦に筋が入る)になっており、内服薬では治療が難しい病型といわれている。
爪白癬の治療について
爪白癬の診断は病院で
爪白癬の診断のためには顕微鏡検査が行われます。白く濁った爪を削り、穴を開けて角質を採取し、水酸化カリウム(KOH)という液体で溶かして観察し、白癬菌を確認できれば爪白癬と診断されます。
爪白癬の治療は医師の処方薬で対処
爪白癬の治療には、難治性で一般的には市販薬では対処ができません。病院で白癬菌が確認され爪白癬と診断されれば、専用の塗り薬(外用薬)と飲み薬(内服薬)が処方されます。以下にそれぞれの特徴を示します。飲み薬(内服薬)
現在爪白癬専用で処方される内服薬は3成分あります。いずれも他の薬の飲み合わせに注意が必要で、肝機能検査や血液検査を行いながら内服していきます。成分名 | 商品名 | 飲み方・特徴 |
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イトラコナゾール | ・イトリゾールカプセル ・イトラコナゾールカプセル「SW」など | 1回200mg 1日2回食直後に服用。1週間服用後3週間休薬を3回繰り返す。 |
テルビナフィン塩酸塩 | ・ラミシール錠 ・テルビナフィン錠 | 1日1回食後 |
ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加 | ・ネイリンカプセル | 1日1回食事に関係ない。 12週間服用。 |
塗り薬(外用薬)
現在爪白癬専用で処方される外用薬は2成分あります。いずれも1日1回で良い塗り薬です。成分名 | 商品名 | 飲み方・特徴 |
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ルリコナゾール | ・ルコナック爪外用液 | 1日1回爪全体に塗布。容器を直接おしあてる。 |
エフィナコナゾール | ・クレナフィン爪外用液 ・テルビナフィン錠 | 1日1回爪全体に塗布。専用のハケで塗る。 |
爪白癬の治療は長期にわたる!
新しい爪が生え変わるまでの期間が治療に必要です。新しい爪が生え変わるには1年かかると言われていますので、かなり長期の時間を治療に要します。爪白癬と診断されて、治療薬が処方されても医師の指示があるまでは服用続けていくことが大切です。
爪白癬の予防
まずは、水虫の治療が大切!爪白癬に先んじて、水虫が起こることが多いので、まずは水虫を放置せず早めに治療をすることが大切です。