今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A
その146(2019年8月号)
Q
疲れ目に効く目薬はありますか?
A
疲れ目に効果のある市販の目薬があります。また、疲れ目に用いる飲み薬もあります。疲れ目にも様々な症状がありますので、かかりつけ薬局もしくはお近くの薬局薬剤師にご相談下さい。

はじめに

このところ疲れ目に悩まされている方が多くなっていると聞きます。みなさんはいかがでしょうか。
スマートフォンやパソコンの画面を見続けたり、テレビをなんとなく見ていたらこんな時間に、また新聞や文庫本、雑誌の細かい文字を読んで目が疲れる。十分に眠ったはずなのに疲れが回復しないなどなど。そんな症状を「眼精疲労」と呼びます。
さらに目が疲れるだけでなく、目の奥が痛んだり、頭痛や肩こりなどの症状も出ることがあり、日常生活に支障が出たり、大きな負担になることもあります。

疲れ目とは ~ その主な原因

疲れ目の原因はひとつではありません。現代社会において目にはかなりの負担がかかっています。仕事や業務でコンピューターの画面を見続けたり、教育の現場でも課題やレポートの作成にパソコンは必須です。
またご自宅でご覧になっている液晶テレビだけでなく、プライベートでもスマートフォンの動画投稿サイト、SNSや検索サイトなど、我々の生活には欠かせないものになっており、これらが「眼精疲労」の主たる原因として考えられます。


その他にも、お出かけなどで長時間の運転や、ご自身が近視・遠視があって普段から眼鏡やコンタクトレンズなど用いているだけでも日常的に目の負担になります。
さらに目の渇き(ドライアイ)や白内障、緑内障など目に係わるご病気が「眼精疲労」原因となります。高血圧や肩こり、貧血や更年期障害、自律神経失調症などでも目の疲れの症状が出ることがあります。
普段の生活環境(お部屋の電気が暗い、逆に明るすぎるなど)、心理的なものも一因として考えられ、「眼精疲労」の原因は様々です。
原因が特定できればそれらを排除すればよいのですが、なかなか簡単にはいきませんね。

疲れ目に用いる目薬

市販の疲れ目用の目薬には多くの種類が販売されています。あまりにもその数は多く、それらすべてを街の薬局、ドラッグストアで販売しているわけではありません。値段もお手頃のものから高価なものまで様々です。

主成分としてビタミンB2、B6、B12やビタミンEなどを含有している目薬が多く、その他様々な有効成分を配合させ各メーカー、各製品の独自色を出しています。
更に目薬だけでなく飲む薬にも眼精疲労に効果のあるものが幾つも販売されています。錠剤やカプセルタイプ、ドリンクタイプとライフスタイルに合わせて選ぶことができます。

お薬ではありませんが目を外側から温めて血行促進させるアイマスク型の商品も販売されています。ご自身で選ぶのも一つの方法ですが、一度店舗の薬剤師に、どんな症状でお困りかを伝えて、ご相談なさってはいかがでしょうか。

こんな時は

ご自身で疲れ目の原因に思い当たることがあれば、生活のスタイルを変えたり、少しでも目に負担をかけないようにすることで症状を緩和することができます。
しかしながら仕事や生活スタイルは大きく変えられない、その他慢性的に眼精疲労に悩まされている方もいらっしゃると思います。知らず知らずのうちに眼に関連する病気の恐れもありますので、お近くの眼科を受診していただき、まず視力検査、さらに必要があれば眼圧検査や屈折検査など、眼科的な診察・検査もご検討なさって下さい。

最後に

今回は疲れ目というテーマでお話しをしました。近年最も疲れ目の原因として考えられるものにスマートフォンやパソコンなどの液晶ディスプレイなどが挙げられます。
これらが原因として起こる眼精疲労は「VDT症候群(Visual Display Terminals症候群)」と呼ばれ、年代を問わず目に大きな負担となっています。我々の生活からはすでに切り離せない存在となっていますので、上手に付き合うことが大事です。

長時間の使用を避け、十分な休憩時間を確保することで、かなり眼精疲労の症状を軽減することができます。それに合わせ疲れ目用の点眼薬や、ドライアイ用の目薬などを用いて目にかかる負担を少しでも和らげてください。

最後に、全身の病気、目とは全く関係のないと思われる症状に関連して眼精疲労も発症することもあります。かかりつけ医院、病院がありましたら担当のドクターに、またかかりつけ医の無い方は最寄りの薬局薬剤師まで、遠慮せずにご相談ください。