今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A
その157(2020年7月号)
Q
お薬が飲み込みづらくなってきたのですが・・・
A
お水で服用するのが困難な方には、服薬補助剤(オブラートやゼリー)を使用する方法があります。また、処方薬を粉や口の中で溶ける錠剤に剤型変更できる場合もありますので、かかりつけ薬局にご相談ください。

お薬が飲みにくくありませんか?

高齢になってくると食事のときに飲み込みがスムーズでなくなってきたり、むせ込んでしまったりということがでてきます。薬を飲むときも同様です。
「大きい錠剤を飲むのがつらい」「薬が多くて飲むのに時間がかかる」「水で飲むとむせ込む」などせっかく処方された薬も、服用できなければしっかりとした治療を受けることができません。こうしたときの工夫として、市販の服薬補助剤を使う方法と、処方薬の調整について紹介します。

服薬補助剤を使う方法

オブラートを使用する方法

オブラートは丸形、袋型、カップ型などが販売されています。枚数も多く価格も安価であることが特徴です。

薬を包むための「薬用補助具」が付属されているものもあります。

オブラートは、口の中での張り付きを防止するため、水につけて飲む必要があります。お薬を包んだオブラートは、一度水につけてからすぐにお飲み下さい。

服薬ゼリーを使用する方法

ゼリーがつるっとのどを通り、薬の服用が苦手な方にも楽に服用できるのが特徴です。
ゼリーをスプーンにとり、その中に薬を押しこみます。ゼリーごと薬をスプーンから飲み込みます。

処方薬の調整

薬剤師に相談して、剤形(薬の形状)を変更できるか聞いてみましょう。

粉砕

錠剤がなかなか飲み込めない場合、薬局で錠剤を粉砕してもらうという方法があります。錠剤の中には粉砕できないものがあるので、粉砕できるかの可否(徐放性、腸溶製剤、フィルムコーティング、軟カプセル、舌下錠、吸湿性、刺激性、味、臭いなどが問題ないか) を薬局で確認してください。
錠剤では飲めないけれど、粉であれば飲める。そんな方もいるので、剤型変更が可能か薬剤師に相談してみるのが良いでしょう。同じ成分でも異なる剤型をした薬は数多く発売されています。

口腔内崩壊錠

錠剤が口腔内で唾液または少量の水で崩壊することにより飲み込みやすくした製剤です。
ラムネ菓子のように口の中で溶けて、錠剤がのみにくい方でも水なしで、または少量の水とともに負担なく服用できる錠剤です。ただし、このような錠剤が発売されているのは、まだ限られており、全ての薬が変更できるわけではありません。

おわりに

薬剤師は日頃から多種多様な薬を扱っているため、大きさや溶けやすさなど薬の特性に関する情報を豊富に持っています。「薬を飲み込むのがつらい」など、困っていることがあればお気軽にご相談ください。患者様が薬を安心・安全に服用頂くためのサポートをさせて頂きます。