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今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A その2     (平成19年8月号)
Q 薬は併用しても大丈夫ですか??

 2種類以上の薬を併用すると、薬によっては効き目が強くなったり弱くなったりすることがあり、注意が必要です。
また、市販の薬であっても薬の効き目が変化することもありますので、医師または薬剤師に相談しましょう。


  ◆◆ 薬の相互作用とはなんでしょう? ◆◆

食べ物で、例えば、「鰻と梅干」・「天ぷらとスイカ」など「食べ合わせ」が悪いと体の具合が悪くなると聞いたことがあるかと思います。実は、そういうことが薬にもあります。
薬を2種類以上同時に使用した場合、薬の組み合わせによっては作用が強く出たり、逆に効果がなくなったり、場合によっては副作用が出やすくなったりすることがあります。
これを相互作用と呼んでおり、最近研究が進んでいろいろな組み合わせが知られてきています。相互作用はすべての薬でおこるわけではなく、また人によってその影響も異なりますが、危険な組み合わせもありますので、複数の薬を使用する場合は注意しなければなりません。


◆◆ 薬の相互作用の種類 ◆◆
相加(そうか)作用複数の薬の服用により、薬の作用が重なり合って強く発現する場合
相乗(そうじょう)作用複数の薬の服用により、薬の作用が相加作用よりもさらに強く発現する場合
阻害(そがい)作用相反する作用を持つ薬の服用により、薬の作用が無効になる場合。など


  ◆◆ 相互作用はどのような仕組でおこるのですか? ◆◆

薬が相互作用を起こす仕組みにはいろいろなものがありますが、大きく分けると、@薬が吸収される過程、A薬が血液中を運ばれる過程、B薬が働く過程、C薬が排泄される過程でおこるとされています。
@薬が吸収される過程
口から入った薬は胃や腸で溶け、主に十二指腸から小腸の間で吸収されます。薬によっては他の薬の吸収量や速さに影響することがあります。
(例:一部の抗生物質は、マグネシウムやアルミニウムの含まれる胃薬と一緒に飲むと吸収されにくくなるので、抗生物質の効果が落ちてしまいます。)
A薬が血液中を運ばれる過程
腸から吸収された薬は肝臓に行き、多くはここで分解(代謝)されます。代謝はほとんど肝臓で行われますが、薬の中には他の薬の代謝に影響を及ぼす薬もあります。
(例:水虫の薬を飲んでいるときに睡眠薬を飲むと、睡眠薬の肝臓での代謝が抑制され、 睡眠薬の作用が強くなりふらつきや意識障害が起こることがあります。)

肝臓を通った薬は血液の流れに従って体の中を運ばれます。薬は、血液中でタンパク質と結合しているものと、結合していないものがあります。
(例:ワルファリンを飲んでいる人が痛み止めなどの薬を飲むと、タンパク質と結合しない薬の量が増え、作用が強く出て出血しやすくなることがあります。)
B薬が働く過程
薬は、血液と一緒に体の中をめぐり、薬の効果を表します。この為、同じ作用の薬を併せて飲むとお互いの効果は強まり、逆の作用の薬を飲むとお互いの効果を弱めます。
(例:糖尿の薬を飲んでいる人が痛み止めの薬を飲んだ時や、緑内障の薬を使用している人が市販の風邪薬を飲んだ時、症状が悪化することがあります。)
C薬が排泄される過程
薬は体に入って効果を発揮する一方で、尿、便、乳汁、唾液などから体の外へと排泄されますが、この部分でも相互作用がおこる可能性があります。
(例:一部の痛風の薬と糖尿の薬を併用すると、尿への排泄が阻害され、糖尿病薬の効果が強くなることがあります。)


  ◆◆ 相互作用を防ぐには? ◆◆

 全ての相互作用が分かっている訳ではありませんので、全くおこさないと言うことは難しいのですが、注意すべきことはあります。
 相互作用が問題となるのは、相互作用を起こす組み合わせの薬を新たに使い始めたときです。新たな薬が追加されることによって、今まで使っていた薬が効き過ぎたり効果がなくなったりするからです。
また、逆に薬の種類を減らした場合も注意が必要です。今まで相互作用によって薬の作用が弱められていたのが、相互作用をおこす薬がなくなることによって、急に効果が強まったりするからです。
 このように、薬を併用し始める時や減らすときには注意が必要ですし、相互作用を承知で医師が処方している場合もありますので、処方薬を飲んでいる場合は、自分勝手に飲んだり飲まなかったりすることはやめましょう。
 また、一人の医師からだけ薬を処方されている場合は、相互作用についてもチェックされていると思いますが、複数の医師から処方されている場合や、市販薬を併用する場合は、他にどのような薬を飲んでいるのか、医師や薬剤師に伝え、相互作用の有無をチェックしてもらう必要があります。