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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その41     (平成22年11月号)
Q 便秘対処法のポイントを教えてください。

 便秘の原因は、生活習慣に起因していることが多いので、生活スタイルを改善しましょう。また、便秘には何種類かのタイプがありますので、タイプにあった対処が必要です。


◆  便秘とは・・・  ◆

便秘とは、便が大腸内に長時間とどまり、排便がスムーズに行われない状態で、便の量が少ない、残便感がある、などの状態をいいます。

通常は1日から1日半に1回排便がありますが、人によって様々です。
便の量や回数は個人差があり、毎日排便がなくても苦痛や残便感、腹部の張りがなければ便秘ではありません。
逆に毎日排便があっても苦痛や残便感がある場合は便秘といえます。



◆  便秘の種類・・・  ◆

○弛緩性便秘・・・
大腸の動きが弱くなったり、腹筋力の低下によって便を押し出す力が足りないことで起こる便秘。高齢者や、内臓が下垂ぎみの人に多くみられます。

○痙攣性便秘・・・
ストレスや疲労、自律神経が乱れることで、腸の動きが強くなりすぎてしまったために起こる便秘です。
便秘と下痢を交互に起こしたり、丸いコロコロした硬い便が出るのが特徴です。


○直腸性便秘・・・
便が直腸に到達したにもかかわらず、トイレを我慢していると、直腸の感受性が弱くなり便意が起こりにくくなります。生活習慣が原因の代表的な便秘で、女性に多くみられます。

○一過性便秘・・・
旅行などによる、環境の変化から起こる便秘で、緊張やストレス、食物繊維不足や水分不足が原因。

○器質性便秘・・・
腸に関する病気が原因で起こる便秘。



   ◆ 便秘によって起こる病気・・・  ◆

通常は、善玉菌が悪玉菌の働きを抑え、腸内細菌を一定のバランスに保って、健康な腸内環境が維持されていますが、便秘になると、腸内に有害物質が発生し、悪玉菌が増加します。

悪玉菌が増加すると、腹部の張りや食欲不振、吐き気などお腹の症状から、吹き出ものやニキビなどお肌の症状、さらには頭痛、腰痛、痔、イライラなど精神的症状もでることがあります。



◆ 便秘の解消法・・・  ◆

便秘を解消するには、日々の生活習慣を見直す事が大切です。

○規則正しい生活 ・・・
便秘対策で何よりも重要なのは、規則正しい生活です。
これは便秘に限らず、健康的な毎日を送るためにも必要なこと。
日によって睡眠時間や食事時間などが異なるようであれば、できる限り毎日の生活パターンを固定するようにしてみましょう。


○睡眠を十分とる ・・・
忙しい現代人は毎日時間に追われています。
そのため、睡眠時間をおろそかにしがちで、満足のいく質のよい睡眠が得られていません。睡眠時間が不規則になれば、体がリズムをつかめず、食事や排便のリズムも不規則になってしまいます。


○適度な運動 ・・・
運動不足は筋肉量を減少させ、脂肪を増やす原因になります。
肥満と便秘は直接関係ありませんが、どちらも将来の健康を害するおそれがあるものです。
腹筋を鍛えたり、ウォーキングなどのように一定のリズムがある運動で、スマートに便秘を予防・解消しましょう。


○リラックスできる時間をもつ ・・・
自律神経には、腸の動きを抑制する作用がある交感神経と、腸の動きを促す副交感神経があります。
副交感神経が活発に働くのは、リラックスしているとき。これをうまく利用すれば、自発的に便意を促せます。ストレスを感じやすい人は特に意識してみましょう。



≪規則正しくバランスのとれた食事≫

○朝食が重要・・・

寝起き後の空っぽの胃を満たす朝食は腸を刺激し、排便の習慣を身につけやすくします。時間に余裕をもって起床し、きちんと朝食を摂ることで大腸を動かし、便意を促してあげましょう。

○水溶性食物繊維・・・
保水性に富んだ食物繊維は腸内で水分を吸着するため、便を柔らかくして、排泄しやすくします。
水溶性食物繊維には、便に水分を溜める作用があり、その結果、腸内の善玉菌を増やす働きがあるため、便秘改善には進んで取り入れたい食品です。


○不溶性食物繊維・・・
不溶性食物繊維は便のかさを増やします。ただし、不溶性食物繊維だけを摂りすぎると便が硬くなってしまいます。
水溶性食物繊維と水分を組み合わせることで、排便をスムーズにすることができます。


○こまめな水分補給を・・・
腸内の水分が減少して起きる便秘の場合には水分補給は欠かせません。
体内の水分が不足しているうえに大腸でさらに水分が吸収されると、便は一層硬くなり、腸の中で滞って排便しづらくなるのです。
また、朝起きがけに水をのむと、腸が刺激されて動きが活発になるため排便が期待できます。


○善玉菌を増やそう・・・
健康な腸内では、乳酸菌(ビフィズス菌ほか)などが善玉菌として腸内環境を整えています。
しかし、食物繊維の摂取量が低下し、動物性脂肪やタンパク質の摂取量が増加すると、大腸菌などの悪玉菌が増加して腸内細菌のバランスが乱れ、排便を妨げる結果になってしまいます。
ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌、酢、漬け物などをこまめに摂って、善玉菌と悪玉菌のバランスを整えましょう。












◆ 便秘薬の種類・・・  ◆

便秘薬は様々な種類があります。自分のタイプにあった便秘薬を使用しましょう。 選び方などわからない場合は薬剤師に相談して下さい。

≪便を柔らかくするタイプ≫
○塩類下剤・・・
腸内の水分の再吸収を防ぎ、腸の内容物をやわらかくして、量を増やすことで腸に刺激を与え、便意を起こさせます。大量の水と共に服用するとより効果的です。効果が比較的早くあらわれます。 (酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなど)

○膨張性下剤・・・
食物繊維と同様の作用があり、消化管内での水分を吸収して膨れ、腸の内容物の量を増やし、腸に刺激を与えるため弛緩性便秘に適しています。作用が穏やかなため、他の下剤と併用することが多い薬です。 (プランタゴ・オバタ種皮、種子など)

○浸潤性下剤・・・
界面活性作用により、便の表面張力を低下させて水分を浸透させ、柔らかくさせます。単独では効果が弱いため、刺激性下剤と併用する事が多い薬です。(ラクツロース、ジオクチルソジウムサクシネートなど)

≪腸を刺激するタイプ≫
○刺激性下剤・・・
大腸の腸壁や粘膜を刺激して、腸の運動を促進させます。作用が強く、習慣性があるのが特徴です。市販の便秘薬はこのタイプが多く、服用は短期間のすることをおすすめします。(センナ、ダイオウ、ピコスルファートなど)

≪浣腸・坐剤≫
直腸粘膜の興奮性が低下すると排便運動は起こりにくくなり、上記下剤に対する反応性も低くなります。このような場合に、直腸に直接機械的、または科学的刺激を与えるために使用します。(グリセリン、ソルビトール、ビサコジルなど)