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薬の飲み方Q&A その39     (平成22年9月号)

Q 薬草について教えてください・・・
 薬草(薬用植物)は、簡単な加工や有効成分を抽出することで薬として用いられる植物です。松本市のアルプス公園「森の里広場の体験学習施設」に薬草園があり、実際の薬草が見学できます。


◆ 薬草について ◆


まだ薬が無かった時代に病気になった時は、植物を用いて治療されていました。現在でも使われている植物では、中国から伝えられ日本で漢方薬として使われている植物、民間医療として日本で使われてきた植物、ヨーロッパで発展してきたハーブの植物などがあります。


◆ 薬草園の植物について ◆


薬草園には植物の名前、科名、生薬名、薬効などが書かれた看板をつけてあります。

現在漢方薬に用いられている植物で薬草園にあるものをいくつかまとめてみました。


桔梗【 キキョウ 】

 

一属一種で、日本全土、朝鮮半島、中国東北部などアジアの広い地域の日当たりの良い山野の草原に自生し、また家庭でも栽植する多年生草本で、茎は高さ40120cm、花は単生で79月頃茎の先に数個総状に付け、柄があって上向きに咲く。生薬としてはキキョウPlatycodon grandiflorumJacq.A. De Candoleの根が用いられる。

北海道、長野県、新潟県など国内でも生産があるが、多くは中国からの輸入。栽培は播種と株分け法があり、薬用として生薬を収穫する目的であれば播種による方法が一般的である。地域によっては花を切り花として利用され、良く花卉園芸を目的としての栽培がある。収穫時期は根皮が良く剥がれ易い6月下旬から7月下旬を適期とする。収穫した根は水洗いし、根皮を剥いで陽乾する。皮を付けたままのものは乾燥が不充分となり、カビの発生を起こすので、火力乾燥が行われる。根は肥大し、色が白く、質が堅実で、コルク皮の付いたえぐみの多いものを良質品とする。もともと、桔梗は「味は苦く、熱を瀉し、痰を除き、咳を治し、咽喉を利し、湿気を散ずる」薬能を有しており、これに伴う方剤に配合される生薬である。

 

 

杜仲【 トチュウ 】

貴州省、四川省等に自生があり、又、栽培化が行われ、トチュウEucommia ulmoides Oliverの乾燥樹皮を薬用とする。海抜14002400mに多く見られる。太陽の光を充足し、湿潤の地区を好み、肥沃な土地でpH56.5位が良いと中国の専門家の話である。落葉高木、高さ10m前後。定植して1520年で収穫する。一般に46月。部分剥皮法は木を切り倒さずに樹皮の部分だけを剥がす方法が取られている。非常に木を大切にし、自然保護を重視しての収穫方法で、生育を維持できるように木部の部分まで到達しないように、強い刃物を使わずに、軽く、早く、正確に樹皮のみを剥がしていくのである。部分的に剥皮を行うので、剥がした部分には1日は直接に日光を当てないように、傷つけないように、汚さないようにして保護し、地域によってはむしろなどで覆ってやる場合もある。「表面が淡青緑色になるようになって、再び新しい皮が復活、成長を開始、35年で皮を付けて収穫ができるようになる‥」と報告されている。生薬としては断面に銀白色の弾力に富んだ膠状のグッタペルカ物質が旺盛に糸状に引くものほど良い。関節がはれて痛み、麻痺、硬直して屈伸しがたいものの下肢の慢性関節リウマチ、慢性関節炎、痛風に効果を示す大防風湯に配剤される。

 

薬【 シャクヤク 】

中国の江蘇省以北、満州、蒙古、シベリアの極東南部及び朝鮮半島の京畿道以北が原産である。特に中国での歴史は古く、 “薬、牡丹、梅、蘭、菊、蓮”を歴史上の六大名花として文人墨客が賛美し、花が珍重され、鑑賞用に栽培が行われている。園芸品種としては3000種以上、花弁の色、形、雄蕊の発生位置等で細かく分類されている。しかし、薬用種としては白花で青茎系統の品種(アンドン)が用いられ、茎に三花をつけ、花弁が520の重弁、所謂「大和薬」と伝承されるものである。雄性不稔系で種子ができないので、栽培は栄養繁殖で行われる。多年生草本で高さ5080cm。根は肥厚した紡錘形、薬特有の強い香りがある。6月頃径約10cmの大形の花を付ける。花弁は白色、紅色が主、913片、雄蕊は黄金色で多数、雌蕊は35。果実は袋果。通常45年目の10月に収穫となる。鎮痛鎮痙薬、婦人病等を主訴とした漢方薬に欠かせない生薬である。

 

 

山椒【 サンショウ 】

山地や丘陵地に生える落葉低木である。葉や果実を食用とする目的で、庭などでも栽培している家庭もある。若葉はお吸い物やあえ物に用い、果皮は蒲焼などの香辛料に、果実を漬物として、材はよくスリコギとして利用される。高さ35mに達し、よく分枝する。花は黄緑色で、45月枝の先に小さな円錐花序をつける。萼があり花弁は欠く。果実は楕円状球形の朔果で、表面は油点による凹凸が見られ、径約5mm、熟するにしたがって、緑色→緑黄色→紅色に変色し、赤紫色に熟する。7月中下旬の果実が充実し果皮が濃緑色の時期に収穫される。生薬は通常2個稀に3個、基部で結合した長さ約1cmの果柄に付いている。各分果はほぼ球形、径57mm、両片に開裂している。果皮の外面は赤紫色〜赤褐色、無数の凹点がある。種子がないものが良いが、存する種子は黒褐色で球形である。特異のにおいがあり、味ははなはだ辛辣で清涼感がある。完全な栽培品種で、香辛料として利用される。また同じ栽培品種にアサクラサンショウから派生した系統にブドウサンショウがある。果実の粒が大きく、豊産性で生薬として好まれる。健胃、胃腸カタル、胃拡張等芳香性健胃薬として知られる。

 

当帰【 トウキ 】

日本を代表する地道生薬の1つで、根茎は太く肥厚し、多数の側根をつける。810月、枝先に多数の複散形花序数個をつけ、良質の当帰を生産するには栽培及び調製に苦労があり、大量生産への工夫が必要である。特に抽苔を防ぐ目的から“芽くり”即ち、春に苗を定植する前、植える苗の選定を行う。つまり、太い苗は1年目で開花してしまい、根に木質の芯が出来、根の肥大が止まり、薬用としての価値をなくすので、鉛筆位に育ったものの苗の基部の頂芽の芯の部分を基部から切り去り、芯の中心部を竹べらでえぐり取り苗として定植する。これにより秋には立派な根に成長する。生育した根は秋に収穫されて乾燥、翌年の2月に“湯揉み洗い”即ちまな板の上で乾燥した当帰の根を50℃前後の少し熱い湯につけながら揉み洗いをし、根の型を整へることが行われる。そして再度乾燥させ仕上げる。この二大作業の実施により、濃い褐色となり、におい及び甘味が増し、良質の商品として調製される。何れにせよ当帰は国内の生産に限られる生薬であり、更に良質な「正品」としての当帰の供給が必要とされる品目である。婦人病を対象とした方剤中に配合される。

 

 

 

【 カッコン 】

日本を代表する地道生薬の1つで、根茎は太く肥厚し、多数の側根をつける。810月、枝先に多数の複散形花序数個をつけ、良質の当帰を生産するには栽培及び調製に苦労があり、大量生産への工夫が必要である。特に抽苔を防ぐ目的から芽くり即ち、春に苗を定植する前、植える苗の選定を行う。つまり、太い苗は1年目で開花してしまい、根に木質の芯が出来、根の肥大が止まり、薬用としての価値をなくすので、鉛筆位に育ったものの苗の基部の頂芽の芯の部分を基部から切り去り、芯の中心部を竹べらでえぐり取り苗として定植する。これにより秋には立派な根に成長する。生育した根は秋に収穫されて乾燥、翌年の2月に湯揉み洗い即ちまな板の上で乾燥した当帰の根を50前後の少し熱い湯につけながら揉み洗いをし、根の型を整へることが行われる。そして再度乾燥させ仕上げる。この二大作業の実施により、濃い褐色となり、におい及び甘味が増し、良質の商品として調製される。何れにせよ当帰は国内の生産に限られる生薬であり、更に良質な「正品」としての当帰の供給が必要とされる品目である。婦人病を対象とした方剤中に配合される。

 

 

写真・資料提供 :株式会社ツムラ


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