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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その47     (平成23年5月号)
Q 喘息の持病があり、海外旅行に薬を持参しても大丈夫ですか?

  現在は糖尿病や気管支喘息等の持病がある方でも、留学や海外旅行ができるようになりました。しかし、薬をもって海外へ出向くと、入国審査の際にトラブルとなることもあります。



◆ 海外旅行に持っていきたい薬  ◆

海外旅行先で体の具合が悪くなるのは、意外とよくあるものです。
それは、気が付かないうちに、気力体力共に相当なエネルギーを使っていることや、気候による変化、食べ物、水など多くの原因が考えられます。

そんな時に薬を持参しておくと、多くのケースで大事にいたらないでしょう。
もちろん現地で薬を購入する手もありますが、やはり言葉も通じない慣れないところでは困難なので、ある程度は持参した方がいいでしょう。

≪一般用医薬品≫
 治療の目的  携行したい薬剤名 
 1.下痢・胃痛の治療 整腸剤・下痢止め・やブスコパン(便秘がちの方は便秘薬)  
2.  痛み・発熱の治療 解熱鎮痛剤  
3.  虫刺されの治療 抗ヒスタミン軟膏、予防に昆虫忌避剤  
4.  乗り物酔いの予防 酔い止め薬  
5.  軽いケガの治療 抗生物質軟膏  
6.  時差ボケの解消  弱い睡眠薬(向精神薬でないもの)  
7.  その他 日焼け止めローション、絆創膏・工バンドエイド  

≪医師の処方薬≫
普段服用している医師の処方薬を海外へ持参することは当然可能です。
ただし、精神安定剤や睡眠導入剤を多量に持参していると思わぬトラブルに巻き込まれかねません。

長期出張などで持参する薬剤が多量になる場合は、医師に処方薬の内容を記載した証明書を発行してもらたっり、処方せんのコピーを持参しましょう。

≪医薬品・医療品の機内持ち込みについて≫ 
 ・成田空港 セキュリティガイド




◆ 旅行中の薬の保管について  ◆

冷蔵庫に保管する薬を旅行に持っていく場合、短期間の旅行であれば、冷蔵庫に入れなくてもだいじょうぶなものもあります。

高温になる車の中や、直射日光に当たる場所に放置することはしないで、なるべく涼しいところで保管してください。

逆に、常温で保管できる薬の中には、冷蔵庫に入れると中に含まれる防腐剤の効き目が弱くなるものがありますので、冷蔵庫には入れないでください。


◆ 時差がある場合の薬の服用時間について  ◆

1日1回のむお薬を、いつも朝食後(日本時間)に飲んでいたとします。
日本を夜に発つヨーロッパ行きの旅行で9時間フライトして現地入りしたとしたら、現地はもうお昼に近い時間になっているはずです。
ここで現地の時間に合わせて、次の朝を待って薬を服用したら、最後にお薬を飲んだのから計算して72時間の遅れになってしまいます。
つまり、思わぬところでお薬のスケジュールが乱れてしまう事になるのです。

お薬をのむ時間というのは、症状に合わせていたり、忘れないタイミングを考慮したり、体に取り込まれる時間を考えて決められています。
そして慢性的にのんでいるお薬というものは時差などの外的要因に関係なく、決まった時間間隔で薬が体に使われるようになっているはずです。

お薬の服用が厳密に管理されている患者さんの場合には、お薬を飲む時間を日本時間に合わせて服用しなければならないかもしれません。
朝食後という事に執着していては、継続的な薬の症状コントロールに影響してしまう事も考えられるのです。


高血圧の他にも、喘息や糖尿病、てんかん、循環器系の病を患っている方、経口避妊薬をお使いの方など毎日継続してお薬を飲んでいる方なども旅行中にのむ時間について考えてみてください。

そしてお薬は1日1回のむだけのお薬ばかりではありません。
場合によっては複雑なのみ方をする必要があるかもしれません。
ご旅行の準備のひとつとして医師と海外旅行中の服用スケジュールについて確認をしておいてください。
2週間おきに受診されている方が多いと思いますが、もしまだ間にあえば今度の受診の際に医師と相談しておく事をおすすめします。

 


◆ 海外に持ち出せない薬について  ◆

麻薬・大麻(マリファナ)及び覚せい剤を日本から持ち出すことも、海外から日本に持ち込むこともできません(訪問国並びに日本国の許可を得ている場合を除く)。

睡眠薬や精神安定剤などの向精神薬に該当する薬剤(医師の指示がある場合を除く)並び にワシントン条約(絶滅のおそれがある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で規制されているジャコウジカ、クマ等を原料とした成分を含有する漢方薬を日本に持ち込むことはできません。
 


◆ 海外で薬を購入する場合の注意  ◆

現地で市販薬を買う場合、国によっては、日本と同じメーカーの医薬品が出回っています。

ただし、現地の人向けに販売されているため、その薬の服用量が日本の場合での分量と異なる場合がありますので、注意したいものです。

一般に、海外で売られている薬品は、日本人にとって分量が多くなる傾向にあるといわれています。
特に高齢者は、説明書に支持されている服用量よりも少なめに服用するぐらいでちょうどよいでしょう。

また現地購入した内服薬の場合、自分が他に服用している薬と、たまたま一緒に服用したときに問題は起きないのか?といった心配もでてきますので、できることなら、必要と思われる薬は極力、日本から持参していったほうがいいでしょう。