←トップページに戻る

今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その50     (平成23年8月号)
Q どうして血圧が高いと健康によくないの?

  高血圧は血管に負担をかけている状態ですので、動脈硬化につながります。また合併症として、狭心症や心筋梗塞、脳卒中だけでなく、腎臓や眼の網膜などにも影響を与えますので、日頃の管理が不可欠です。




◆ @ 高血圧が怖い理由  ◆

高血圧は、目立った自覚症状がほとんどありませんが、放っておくとさまざまな合併症(臓器障害)によって、寿命を縮める原因となります。
このことからよく「サイレントキラー:静かなる殺人者」などといわれます。


◆ A 高血圧の合併症  ◆


 1) 脳に生じる合併症
   ◎脳梗塞/脳出血/くも膜下出血

 2) 心臓に生じる合併症
   ◎狭心症/心筋梗塞/心肥大/心不全

 3) 腎臓に生じる合併症
   ◎尿蛋白/慢性腎臓病/腎不全

 4) その他
   ◎眼底出血/網膜静脈閉塞症
   ◎大動脈解離/大動脈瘤
   ◎末梢動脈疾患

合併症は怖いですが、早いうちからきちんとした治療を行っていれば、健康な人と変わらない生活を送ることができることも多くの研究からわかっていることです。なので、真剣に治療に取り組み血圧管理をすることが、何より大切です。

 



◆ B 高血圧の治療  ◆


高血圧の治療には、運動、食事などの生活習慣を改善する「非薬物療法」と、降圧薬によって血圧を下げる「薬物療法」があります。もちろん、薬物療法をしていても、生活習慣を改善することは大切です。



 ◆ 非薬物療法

高血圧は「生活習慣病」とも言われているように、予防の為にも治療の為にも、生活習慣の改善が大切です。生活習慣の改善は目標を決めて少しずつ行うことが大切です。

≪改善項目≫

1.減塩・・・・

高血圧と食事は密接な関係があります。まずは、塩分です。塩分を摂りすぎないように注意しましょう!
1日6g未満が目標です。いきなりの減塩はストレスとなり逆効果ですので少しずつ始めましょう。

  例えば辛味や酸味を加えることで満足感を与える、
  ラーメンやうどんのスープは残すようにする、など。

  ポイント:ナトリウム量=食塩量ではありません、
  「食塩量=ナトリウム量(g)×2.5」と考えて下さい。



2.食塩以外の栄養素・・・

野菜・果物の積極的摂取、魚(魚油)の積極的摂取、コレステロールや飽和脂肪酸を控えましょう。 カリウムは体内の余分なナトリウムを体の外に排出することによって、血圧を下げます。

カリウムは、魚、牛乳、果物類、豆類、野菜類などに含まれる栄養素です。
(腎臓の悪い人はカリウムの摂りすぎに注意が必要です)


3.減量・・・・

肥満の人は、高血圧だけでなく、高脂血症や糖尿病などの頻度も高くなります。身体を動かして運動量を増やしたり、食事の摂取カロリーを減らしたりして、減量しましょう。


4.運動・・・

運動による血圧のコトロールには、ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリング・ラジオ体操などの有酸素運動が効果的です。筋力トレーニングや短距離走のような無酸素運動は適しません。


5.節酒・・・

お酒をたくさん飲む人は高血圧の人が多く、またお酒は血圧がなかなか下がりにくいことがわかっています。アルコールは一時的に血圧を下げますが、習慣的な飲酒は血圧を上げますので、家族みんなで協力し合って節酒を心がけましょう。


6.禁煙・・・

タバコは「百害あって一利なし」と言われるように交感神経を興奮させるため、一過性に血圧が上がります。禁煙することが望ましいので、家族みんな協力し合って禁煙をなしとげましょう。


7.ストレス・・・

寝不足や過度の疲労は、イライラやストレスの原因となり血圧をあげます。
しっかり睡眠をとることや、1日の中でリラックスできる時間を作る(音楽を聴いたり、映画を見るなど)
マッサージ機や入浴もなどもストレス改善に効果的です。
ただ、熱いお湯や長湯、冷水などは注意が必要です。



 ◆ 薬物療法

生活習慣の改善では血圧が下がらないケースや、リスクが多く最初から降圧薬で対応することが必要なケースでは、降圧薬による薬物治療が行われます。

薬物療法に用いられる降圧薬の種類は、大きく分類して6種類あります。

★Ca拮抗薬・・・・・・血管を拡げて血液の通る量を増やし血圧を下げます。

★ARB・・・・・・・・・・血圧を上げる物質が受容体に結合するのを阻害して、
             血管を拡げ、血圧を下げます。

★ACE阻害薬・・・・血圧を上げる物質を作る酵素の働きを阻害して、
            血管を拡げて血圧を下げます。

★利尿剤・・・・・・・・塩分や水分を、尿の出を良くして減らし血圧を下げます。

★β遮断薬・・・・・・心臓のポンプ機能をゆるやかにさせて、血圧を下げます。

★α遮断薬・・・・・・血管の収縮を抑え、血圧を下げます。

患者さんの病態や検査値をみて、適する薬を選択します。単剤で効果が不十分な場合には、併用療法をすることもあります。



























◆ C 家庭血圧の測り方  ◆


○朝の場合
起床後1時間以内、食前、服薬前、排尿をすませてから、1〜2分座って安静にした後に測定

○夜の場合
就寝前に1〜2分座って安静にした後に測定

どちらの場合も、心臓と同じ高さで測定し、血圧手帳などに記録しましょう。(薬局などでもらえます) 正しい測り方で、続けて測ることが大切です。記録は、診察時に医師にみせるとより適切な治療を受けられます。