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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その51     (平成23年9月号)
Q COPDってどんな病気ですか?

  別名「たばこ病」と呼ばれ、長期間、たくさん喫煙してきた人に多く、肺への空気の流れが慢性的に悪くなり、次第に正常な呼吸ができなくなる病気です。「咳」や「たん」が続く、息切れがするようであれば要注意です。




◆ 1、病 態  ◆

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、従来、慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていた疾患です。
慢性気管支炎、肺気腫を含むCOPDでは、タバコにより気道や肺胞に炎症が生じ、肺の働きが低下し、肺での十分な酸素の取り込みが難しくなります。
気管支は、気管支壁が炎症によってむくんだり、痰などの分泌物が気管支内に大量にでることにより、空気の通り道がふさがれ、呼吸しにくくなります。
また、酸素を取り込む場所であるぶどうの房状の肺胞(気管支の先にある)が炎症によって壊され、酸素を取り込みにくくなり、呼吸が苦しくなっています。

 

 

◆ 2、原 因  ◆


最も重要な危険因子は喫煙で、原因の80〜90%を占めると言われます。
その他の原因として、大気汚染や職業的な塵埃や化学物質などの刺激があります。
また、生まれつき気道が過敏な体質や、生まれた時の肺機能の成熟度との関連なども注目されています。
鉱山や建築現場、自動車工場、牧場、ペットショップなどで働いたり、ヘビースモーカーの家族と一緒に暮らしている人は要注意です。

 



◆ 3、症 状  ◆


・咳や痰が多く、長期間続く
・痰がうまく吐き出せない
・坂道や階段を昇ると息苦しい
・同年歴の人の歩くスピードについていけない
・息を吐く時に、無意識に口をすぼめている


◆ 4、治 療  ◆


COPDは完全に治ることはありません。
重要なことは「今より悪くしないこと」です。
禁煙、薬物療法、食事療法、運動療法、肺理学療法、酸素療法、外科療法などによって、病気の進行を遅らせ、症状を軽減することができます。なかでも、禁煙と薬物療法がCOPD治療の中心です。
また、症状やQOL(生活の質)の改善、合併症予防と治療、急性の病気やインフルエンザの予防などのさまざまな観点からもこれらの治療を組み合わせて管理します。



@ 禁煙について
COPDの進行を止める唯一で最大の手段は禁煙です。

禁煙2年以内に肺機能が非喫煙者と同等に戻ることが知られています。
ですから、できるだけ早期に診断して、禁煙を中心とする治療を開始することが必要です。

減煙や節煙は、あまり意味がありません。
禁煙にチャレンジするときには減煙・節煙というステップを踏まずに、いきなりゼロからスタートして下さい。
医師の指導を受けるのがよく、禁煙に伴う離脱症状を軽減するニコチン製剤(ニコチンガムやニコチン・パッチ)や内服薬などの禁煙補助薬を使う方法もあります。





A 薬物療法
狭くなった気道を広げて呼吸を楽にするだけではなく、
増悪を起こさないように長期にわたって治療することが重要です。

COPDの安定期に使われる主な治療薬




B 酸素療法

日常の生活でひどい低酸素血症が起こるような呼吸不全に進行した場合には、在宅酸素療法が必要となります。
これは睡眠時も含めて1日中酸素を吸入する治療法です。



C 外科療法

肺を切り取る手術を行うこともあります。



D 呼吸リハビリテーション

禁煙や服薬指導、呼吸訓練、栄養指導を含む包括的な呼吸リハビリテーションです。
これは、患者さん一人一人に合わせて、リハビリ内容を細かくプログラムし、効果をチェックしながら治療を進めるものです。



E インフルエンザの予防

インフルエンザなどのウイルス性疾患や細菌感染は、COPDの病状を悪化させます。
肺炎を起こすと入院が必要になったり、死亡につながることもあるため、予防が大切になります。
リスクの高い患者さんには、毎年秋にインフルエンザのワクチン接種を行うことが推奨されています。
 




◆ 5、COPDの日常生活での注意点  ◆


@ 運動療法(歩行・体操)

歩行は肺機能を維持するためにとても大切です。
無理のない範囲で足腰を鍛え、散歩を楽しみましょう。
呼吸をするために使ういろいろな筋肉をストレッチする呼吸筋ストレッチ体操は、息切れや呼吸困難をやわらげるのに役立ちます。




A急性憎悪予防

急性増悪をおこさないためには、風邪などの感染症にかからないことが大切です。
うがいや手洗いを欠かさず、ワクチン接種も忘れずに受けるようにしましょう。



◆ 6、自己チェックと検診  ◆


「咳や痰が長引く」、「坂道や階段を上っただけで息切れがして苦しい」。
COPDは、日常のこのような見過ごしがちな症状から始まります。

しかし、「年齢のせいだよな」、「思い過ごしだよな」と放置し、症状を悪化させることが少なくありません。
COPDの重症化は、時に命さえもおびやかします。
思いあたることが少しでもあったら、すぐに医師にご相談ください。






引用:
「COPDと正しくつきあうために」グラクソ・スミスクライン
「それってCOPD?」グラクソ・スミスクライン
「肺の健康とCOPDについてのQ&A」日本ベーリンガーインゲルハイム
「COPDの増悪対策」 大塚製薬