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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その56     (平成24年2月号)
Q 乾燥肌によいお薬はありますか?

  あ皮膚が乾燥すると刺激に敏感となり皮膚炎になりやすくなります。
1日1回保湿外用薬を塗ってみましょう。薬には油脂性軟膏、尿素クリーム・ローション、ヘパリン類似物質、セラミド等があります。




1:乾燥肌とは?   

乾燥肌とはお肌の潤いが失われた状態のことです。別名ドライスキンとも呼ばれています。

さまざまな原因によって表皮角質層の水分が失われると、皮膚本来のバリア機能が低下して、手荒れ、肌荒れ、皮膚のかゆみ等の症状が起こります。

 

2:乾燥肌対策  

乾燥肌対策で大切な3つの基本的なポイントがあります。

●乾燥肌対策ポイント1 乾燥した皮膚の水分を補給すること

●乾燥肌対策ポイント2 肌の水分を保持すること

●乾燥肌対策ポイント3 水分蒸発・乾燥を抑制すること

肌が乾燥しているのから、水分を補給して蒸発するのを防ぐという、とても当たり前でシンプルなことですが、乾燥肌の人はこの3つのポイントのどれかに問題がある場合が多いのです。
乾燥肌は通常の人よりも皮膚の表皮に含まれる水分が不足している状態です。皮膚に水分を補給し、それらを維持できるように保湿対策をすることが大事です。

 

3:乾燥肌のスキンケア  


1.水分
健康な角質層は10?20%の水分を含んでいますが、10%を割ると皮膚がカサカサしたドライスキン状態になります。みずみずしい健康なお肌を保つには、できるだけ乾燥や刺激をさけ、角質層の水分を逃さないようにするスキンケアが必要です。

2.脂分
皮脂腺から分泌される皮脂は、皮膚の表面にオイルバリアをつくって水分の蒸発を防いでいます。ドライスキンを防ぐには、この皮膚の脂分を取り除きすぎないようにすることが大切です。日常の生活の中では石けんや洗剤によって皮脂が失われますので、脂性のクリームなどで脂分を補うことも欠かせないスキンケアといえます。

3.天然保湿因子
角質層の中にはNMFと呼ばれる保湿因子が存在し、この成分が水分を保持して皮膚のうるおいを保っています。ドライスキンの状態では、このNMFの量も少なくなっています。NMFはスキンケアクリーム等にも配合されていますが、代表的なもので尿素を配合した保湿剤があります。

 


4:乾燥肌の改善法   


@ 肌を清潔に保つ

新陳代謝によって、皮膚の表面には古い角質や皮脂などが蓄積されていきます。
また、外部からのほこりや化粧品なども、皮膚に日々付着しています。
こうした汚れをとり除くことは、皮膚の健全な生理機能を保つうえでの第一歩。肌を清潔に保つスキンケアを心がけてください。

肌の弱い人には、低刺激性石けんの使用をおすすめします。


A 肌の乾燥を防ぐ

入浴や洗顔のあと、はじめは水気のある肌でも、しばらくすると肌は乾燥してつっぱったりカサついたりします。
これは、石けんなどの成分によって汚れと一緒に皮脂膜がとり除かれてしまうため。
その失われた皮脂をクリームやローションで補うのが、乾燥に対するケアの基本です。


B 生活環境を整える

ドライスキンになりやすい方は、部屋の湿度が下がりすぎないように気をつけましょう。
また、お風呂での石けんの使いすぎやこすりすぎ、炊事のときのお湯、洗剤の使いすぎにも要注意です。
水仕事の段取りを工夫したり、手ぶくろを効果的に利用するなどして、肌を保護するように努めましょう。


C 皮膚科・医療薬による乾燥肌の治療

乾燥肌は症状が悪化すると、リンパ腺が腫れ、発熱を伴うようになります。
乾燥肌による肌荒れやかゆみの症状がひどい場合は、通常のスキンケア以外に皮膚科での治療を受けた方が良い場合があります。 普段の保湿対策・乾燥肌対策で変化がない、あるいは症状がひどくなっている場合は早めに皮膚科での診察を受けるとよいでしょう。

 


5:保湿外用薬の長所と短所   


保湿外用薬には様々な種類があります。主な保湿外用薬とその長所・短所を下表に示します。
皮膚の状態に合わせて皮膚科の先生から処方してもらうか、薬剤師にご相談ください。

保湿外用薬  長 所 短所 
油脂性軟膏
(白色ワセリン、プラスチベース、亜鉛華軟膏) 
・保湿外用薬の基本
・安価
・刺激感もほとんどない 
ベタつく使用感が好まれない場合がある 
尿素クリーム、ローション
(ウレパール、ケラチナミン、パスタロンなど) 
・保湿効果が高い
・ベタつきが少ない 
・皮膚炎の部位に塗ると刺激がある場合がある 
ヘパリン類似物質
(ヒルドイド、ヒルドイドソフト、ヒルドイドローション) 
・保湿効果が高い
 ・ベタつきが少ない
 ・塗りのばしやすい
 
種類により僅かなにおいがある 
セラミド
(キュレル、AKマイルドクリーム) 
・角すち細胞間脂質で、皮膚本来の保湿機能を担っている物質  ・高価・医師からの処方ができない 
その他
(アズノール軟膏、ユベラ軟膏、ザーネ軟膏、オリーブ油) 
・比較的ベタつきが少ない  各薬剤により異なる 

また、保湿剤には、様々な形状のものがあります。季節ごとに使用する種類を変えるとよいでしょう。