←トップページに戻る

今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その65     (平成24年11月号)
Q  風邪の時に漢方薬は効果がありますか?

  漢方の風邪薬は、原因となるウィルスなどを退治するわけではなく、人が本来持っている自然治癒力の衰えを改善して抵抗力をつけて治す薬です。症状によって薬が異なりますので、薬局でご相談ください。




◆  漢方の風邪薬  ◆  

漢方の風邪薬というのは、いわゆる抗菌剤や抗ウイルス剤ではありせん。
原因となる細菌やウイルスを、やっつけるというよりは、人間が本来持っている力(自然治癒力)の衰えを改善して、抵抗力をつけるものです。


◆  風邪のときに使われる漢方薬  ◆  

風邪薬として使用できる漢方薬の代表的な物には、
「葛根湯(かっこんとう)」
「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」
「小柴胡湯(しょうさいことう)」
「桂枝湯(けいしとう)」
「香蘇散(こうそさん)」などがあります。

漢方では西洋医学のように病名に対応した薬という処方はありません。
例えば漢方で風邪の時に良く使われる「葛根湯」は風邪だけでなく、肩こりにも使われます。こういった考え方は西洋医学にはない漢方独特のものです。





◆   かぜの症状別漢方薬の選び方  ◆  

一言で風邪と言ってもいろいろな症状があります。

漢方では症状や体力,風邪を引いてからの時間など様々な要因で使う薬が変わってきます。

西洋薬ではなかなか治らない風邪も自分にあった漢方薬なら1〜2服で症状が改善してくることも多いものです。



●葛根湯(かっこんとう)

いろいろなメーカーから発売されていて、名前が最も知られている漢方薬。
江戸時代の医者の中には、どんな病気も葛根湯で治したという医者もいたくらいです。

葛根湯は風邪の初期症状に用いられる漢方薬。
頭が痛い,寒気がする,熱,鼻水・鼻づまりなど風邪の初期症状に使われる。
逆に、喉や関節の痛みが強い症状にはあまり効果がない。
比較的体力がある人用で老人や体力が弱っている人には向かない薬。
処方内容:葛根,麻黄,桂枝,芍薬,生姜,大棗,甘草の6種類。


●麻黄湯(まおうとう)

風邪の引きはじめ比較的体力があり、症状が激しい時に用いられる。
寒気がする、発熱(高い)、節々が痛い、自然に汗が出ないなどの症状の時が効果的。
処方内容:麻黄、杏仁、桂皮、甘草。


●桂枝湯(けいしとう)

風邪の初期症状に使われる。体力がない老人や虚弱体質の方向け。
自然発汗がある微熱,頭痛,寒気など。

処方内容:桂枝、芍薬、大棗、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう)


●麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

体力がない老人や虚弱体質の人に使われる漢方の風邪薬。
あまり高くない熱から来る頭痛,寒気,倦怠感,アレルギー性鼻炎など。附子が体を温める。

処方内容:麻黄、細辛、附子。葛根湯が効果が無い場合などに用いる。


●香蘇散(こうそさん)

体力がなく胃腸が弱い人向け。
風邪の初期の寒気,発熱(あまり高くない),頭痛,食欲不振,慢性胃炎や更年期障害にも用いられる。

処方内容:香附子、紫蘇葉、陳皮、生姜、甘草


●銀翹散(ぎんぎょうさん)

風邪によるのどの痛みや頭痛、咳などの効果がある。
かぜの比較的初期が効果的

処方内容:金銀花、連翹、薄荷、桔梗、甘草、淡竹葉、荊芥、淡豆鼓、牛蒡子、  羚羊角


●小青龍湯(しょうせいりゅうとう)

うすい鼻水や水様性のタンなど、鼻の周りに水分がたまった状態のとき
アレルギー性鼻炎、花粉症などくしゃみ鼻水がひどい時に用いられます。

処方内容:麻黄、芍薬、乾姜、甘草、桂皮、細辛、五味子、半夏


●柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

風邪を引いてしまってから数日経った症状に用いる漢方。
風邪がそろそろ治り始める頃なのに症状が収まらない時や関節痛、頭痛などに用いられる。
こじらせた風邪の他い十二指腸潰瘍などにも効果がある。

処方内容:柴胡、半夏、桂枝、黄今、人参、芍薬(しゃくやく)、生姜、大棗、甘草


●小柴胡湯(しょうさいことう)

風邪の中期から後期までの症状に効果がある。
風邪の引き始めというよりも、症状が長く続いている場合や、あともう少しで完治という時の後押しのような役割を果たします。
肺炎、慢性肝炎、胃腸疾患に有効とされる漢方薬です。























◆   風邪に漢方薬を用いるときのポイント  ◆  

漢方薬は自分体に合った薬を選べれば1〜2服で風邪の症状が改善するほど効果があります。

そのためには漢方に詳しい薬剤師や医師に自分の症状をきちんと伝え処方してもらうことが大切です。
漢方の風邪薬=葛根湯というイメージがありますが、葛根湯では治らない風邪もたくさんあります。
専門家に相談して自分に合った漢方薬を選ぶのが風邪を治す近道です。