←トップページに戻る

今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その70     (平成25年4月号)
Q  帯状疱疹に効く薬はありますか?

 
帯状疱疹は早期に治療することで、症状が軽く済み早く治癒します。
市販薬には口唇ヘルペス治療薬しかありませんので、もし帯状疱疹を発見した時は直ぐに医療機関への受診をして下さい。


◆  帯状疱疹とは?  ◆  

帯状疱疹とは帯状に赤い発疹が並んで現れる病気です。

帯状疱疹を起こすとその発疹のある場所がピリピリと痛みます。
時によっては痛みが先に現れ、その後に発疹が出る事もあります。

その原因はウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)です。
このウイルスに初めて感染した時は水ぼうそう(水疱瘡)になりますが、その時に残ってしまったウイルスが感覚神経の根元に残ってしまい、何かのきっかけで再発し帯状疱疹として現れます。

ちなみに口唇ヘルペスや性器ヘルペスも同じウイルスによって発症する病気です。

◆  帯状疱疹の経過  ◆  

帯状疱疹の典型的な経過を示します。
まずピリピリした痛みを感じます。徐々に痛みが強くなります。
数日〜1週間すると痛みを感じた部分に赤い発疹が帯状に出てきます。

発疹は最初のうちは赤くプツプツとしていますが、次第に水ぶくれ(水泡)となりだんだんと大きくなってきます。
ごく軽い場合であれば自然に治る事もありますが、重症化すると神経痛が長期に続く(帯状疱疹後神経痛)や、麻痺や後遺症が残る(顔面神経麻痺、失明、難聴、脳炎)事があるので注意が必要です。




◆  帯状疱疹が出やすい場所  ◆  

顔、胸、背中、下腹部が多いといわれています。多くは体の片側だけに現れます。
(『口唇ヘルペス』は口の周囲、『性器ヘルペス』は性器の周囲に起こるものを指します。)
しかし顔の鼻より上部に出来たものは重症化すると危険な為、より注意して治療が行われます。


◆  帯状疱疹が発症する原因   ◆  

帯状疱疹を発症する代表的な原因です。

1. 過労・ストレス
心身の疲労により免疫機能が低下して発症します。季節の変わり目などに起こりやすく最も多い原因とされています。

2. アレルギー性疾患
アレルギーを発症していると免疫機能が低下して発症し易いといわれています。

3. 糖尿病・慢性腎臓病・悪性腫瘍
これらの免疫機能を低下させ易い病気です。特に糖尿病では症状が悪化し易い報告があります。

4. 薬物治療
ステロイド薬など免疫機能を抑制する薬を使用している時は、発症に注意が必要です。




◆  帯状疱疹の治療薬  ◆  

治療の中心となるのは抗ウイルス薬です。ウイルスの増殖を抑えることで、感染による皮膚症状や神経の障害を防止します。

代表的な内服薬としては
・ アシクロビル ・バラシクロビル ・ファムシクロビル

外用薬としては
・ アシクロビル(OTCでは口唇ヘルペスの再発時) ・ビダラビン ・ウフエナマート

がありますが、何れも高価な薬剤ですので保険を使って治療をしても薬代が高くなります。

また、帯状疱疹に関連する痛みに対しては
急性期の痛み
・ 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン等) ・麻薬性鎮痛薬(コデインリン酸塩水和物)
急性期後の痛み(帯状疱疹後神経痛)
・ プレカバリン ・三環形抗うつ薬 ・抗けいれん薬 ・ビタミンB12製剤 ・神経ブロック




◆  帯状疱疹にならない方法  ◆  

水疱瘡の予防ワクチンを接種することで帯状疱疹の予防や重症化を防ぐ事ができます。

予防接種により、発症率を約50%に抑えることができたとか、重症化を約60%おさえることができたと報告されています。
これは予防ワクチンを接種すると免疫記憶細胞の働きが高まるので、体内に残っているウイルスの再活性を抑えることが出来きることになります。

しかし現在のところ帯状疱疹の発症予防では承認されていない上(水痘・帯状疱疹ウイルスの感染予防に対して高齢者の摂取は承認)健康保険は適用されていません。




◆  最後に  ◆  

帯状疱疹は誰でもかかる可能性のある病気です。
早く治療を行うことで早期に治癒します。
治療を受けずに重症化すると湿疹の部位に跡が残る(瘢痕)、痛みが何時までも続く、神経麻痺が残る、脳炎を起こして命に関わる事があるなど気をつけないといけません。

痛みと帯状の発疹に気づいた時は早めに診察を受けて治療を行って下さい。