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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その79     (平成26年1月号)
Q  感染性胃腸炎の予防と対処法について教えてください。

 
ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の予防には、日ごろからの手洗い・うがいが大切です。発症が疑われる場合には、脱水症状にならないよう水分補給をして、早めに医療機関を受診しましょう。


◆  感染性胃腸炎とは? ◆ 


毎年寒い時期になると、小児を中心とした腹痛・下痢や吐き気・嘔吐などの消化器症状で病院を受診するかたが多くなります。
その原因の多くが感染性胃腸炎です。

感染性胃腸炎とは、ウイルスなどが原因となって発症する胃腸炎のことで、ウイルス性胃腸炎の総称です。

主なものとしてノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等がありますが、その他カンピロバクターやサルノネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸炎などの細菌性の胃腸炎も増えています。

免疫力が弱い、乳幼児や高齢者などが感染性胃腸炎を発症しやすいようです。




◆  主な症状 ◆ 


感染性胃腸炎に感染すると下痢、嘔吐、悪心、腹痛、発熱などの症状がでます。
症状が悪化すると水様下痢や血便、高熱となる場合もあります。

嘔吐・下痢が長引くと脱水症状を起こしてしまいます。

潜伏期間は1〜2日、症状が出現3日ほどで回復します。






◆   主な原因  ◆  

まず第一に考えられるのは経口感染です。

保育園や幼稚園、小学校など共同生活施設など、人同士の接触する機会が多いところで、飛沫感染など直接感染する場合が多いようです。

次に、家庭で調理を行う者や、飲食店などの調理担当者が胃腸炎に感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合もあります。

さらに汚染されていた魚貝類などを、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合や、稀ではありますがウイルスに汚染された井戸水などを、消毒不十分で摂取した場合も考えられます。



◆  治療法は?  ◆  

感染性胃腸炎になってしなった時の初期対応としては、原因に関わらず、まず水分と栄養の補給が大切です。

もともと感染性胃腸炎への特別な治療法はなく、吐き気止めなど症状を軽減するための対症療法が行われます。

抗菌剤の使用は重症で細菌性胃腸炎が疑われる場合に限られます。

乳幼児や高齢者では下痢や嘔吐による脱水症状を生じることがありますので、早めに医療機関を受診してください。

脱水対策としては、スポーツドリンクやOS-1等水分や電解質を含む飲料の経口摂取を中心にし、吐き気やおう吐が強く、経口摂取できない場合などは医療機関で補液を投与します。

嘔吐や下痢の症状が落ち着いてきたら、少しずつ水分を補給し胃腸の回復を待ちます。

1〜2日間は食事を摂らなくても構いません。
その後は消化しやすい、粥やうどんなどの食事を、少量ずつ摂るようにしてください。

また下痢止めは、原因物質を体内に長く留まらせることにもなり、病気の回復を遅らせることがあるので、その症状により医師の指示に従ってください。





◆  予防法は?  ◆  

普段から大切なのは十分に手を洗うこととうがいの励行です。

特に排尿・排便後、調理や食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。

乳児に対してのみですが、現在ロタウィルスワクチンが2種発売されています。
医療機関で任意で摂取できますので詳しくはお近くの医療機関でお尋ねください。

家族に感染性胃腸炎の患者がいる場合は、便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。

ウィルスは症状が消失したのち最長で7日間は糞便中に排出されます。
感染者の糞便や嘔吐物が乾燥し粉じんとなって飛散し、これらからも乾癬する恐れがありますので十分な洗濯・清掃が二次感染を防ぐうえで重要です。

患者が使用した食器や布団、衣類等を洗浄する場合は、次亜塩素酸ナトリウム使用し、消毒するようにしましょう。
感染者が排便や嘔吐した場所についても、同様に次亜塩素酸ナトリウムなどでの消毒が必要です。

牡蠣などを調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。また生肉なども注意が必要です。



以下に家庭で作れる市販の次亜塩素酸ナトリウム(4〜6%)を含む塩素系漂白剤を用いた消毒液の作り方を記載いたします。

●トイレのドアノブや手すりなど・・・0.02%→2Lの水に原液10mL
●嘔吐部や糞便が直接付着したものに対して・・・0.1%→500mLの水に原液10mL