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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その81     (平成26年3月号)
Q  花粉の時期の過ごし方を教えてください。

 
バランスのとれた食事と休養を心がけて過ごしましょう。また、花粉の飛散が多い時間帯の外出はなるべく控え、マスクや帽子・メガネなどを使用して、花粉を体内に入れないようにしましょう。


◆  そもそも花粉症とは? ◆ 


花粉症は花粉の飛ぶ季節だけに起こるので、『季節性アレルギー性鼻炎』と呼ばれます。

ハウスダストやペットなどが原因の場合は、『通年性アレルギー性鼻炎』と呼びます。

現在日本人の約30%が花粉症で、原因となる植物は国内だけでも約60種類にものぼります。

症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の炎症のみならず、のど、口の中、皮膚の腫れやかゆみ、咳、下痢、発熱など様々で、原因となる植物により傾向があるようです。






◆  原因となる植物は? ◆ 


花粉症は全国、全世界でその原因植物や季節は様々です。

原因植物は病・医院で検査することができます。

長野県では2月頃のスギ花粉症は関東より少なめですが、
5〜7月頃にシラカバ(このアレルギーがあるとリンゴ、ナシ、モモなどの果物や、豆乳による口腔アレルギーも起こり、注意が必要です)、
ニセアカシア(他の花粉症も併発しやすく症状がひどくなります)、
カシグルミ、クリ、カモガヤ(別名オーチャード・グラスという牧草)
などによる花粉症がかなりの頻度で起こるようです。

秋にはキク科やイネ科の植物が原因の花粉症があります。
また、ピーマンやナス、モモやリンゴ、バラやグロリオサなどでも花粉症は起こり、職業病にもなりつつあります。

他の地域では六甲のオオバヤシャブシ、瀬戸のオリーブなどが特徴的です。
また、世界的にはアメリカではブタクサ(キク科)、ヨーロッパではイネ科によるものが多いようです。










◆   まずは予防  ◆  

まずはバランスのとれた食事と休養が大切です。

室内の乾燥やたばこは避け、窓や戸もなるべく開けないようにして、洗濯物や布団は外で干さないようにしましょう。

花粉が舞いあがるような掃除方法は避けましょう。

今、深刻なPM2.5も花粉症を悪化させます。外出は風の強い晴れの日や雨上がり、昼過ぎを避け、帽子、マスク、メガネを着用します。

マスクは室内に入ったら捨てましょう。コンタクトレンズは避ける方が無難です。花粉対策メガネにもおしゃれなものが増えています。

上着はスベスベした素材のものにして、室内に入る時には外で払うようにしましょう。

帰宅したらなるべく早く鼻をかみ、うがい、洗顔をします。

気象情報や花粉情報のチェックも役に立ちます。





◆  そして治療  ◆  

薬で症状をおさえる方法、
免疫療法で症状を軽くしていく方法、
手術で症状を和らげる方法があります。

薬にはお医者さんが処方する薬と市販薬があり、
その中にもアレルギー用飲み薬、漢方薬、点鼻薬、目薬など100種類以上あり、使い分けが必要です。

症状が出る前から飲み薬を始めると、シーズンを楽に過ごすことができます。この時点から鼻水タイプか鼻づまりタイプかで薬が違うことがあります。

症状が出てきたら点鼻薬や目薬、さらに飲み薬を追加することもあります。
皮膚やのど、その他の症状がある場合は、その症状をおさえる薬を使うこともあります。 重症な場合は飲み薬のステロイドが使われることもあります。

また眠くならないようにする場合と、眠くなる方が良い場合とで薬を使い分けたりします。

薬を適切に使えば症状を軽くするばかりか、お薬を飲む期間を短くしたり、数を少なくしたりできますが、正しい使い方をしないと、効果がきちんと表れないばかりか、害になることもあります。

平成25年3月の"くすり問答"も参考にし、お医者さんや薬剤師にご相談ください。

手術療法は鼻づまりのタイプに適しています。ただ、再発やお薬併用の可能性もあります。

民間療法やサプリなどは効果があまり期待できないかもしれません。



◆  今、話題の「舌下免疫療法」  ◆  

アレルゲン免疫療法や減感作療法と言われるアレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法があります。

今までは注射による治療が中心でしたが、この春からスギ花粉症の舌下免疫療法が受けられるようになりました。

舌下免疫療法は舌の下のからエキスを吸収させる方法なので、注射の痛みや通院の必要がないことで注目が集まっていますが、花粉の季節の前から始めて、少なくとも2〜3年は毎日自分で治療を続けなければなりません。

その方法が複雑で、副作用が出る可能性もあるので、専門の医療機関でないと治療を受けることができません。
お医者さんとよく相談して決めましょう。





◆  まとめ  ◆  

自分の花粉症のタイプを知り、早めに対応を始め、原因となる花粉を避け、適切な治療をすることです。