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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その87     (平成26年8月号)
Q  『じんましん』に効く薬はありますか?

 
じんましんの薬には、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤がありますが、効果には個人差があります。
これらの薬の中には、使うと眠くなったり注意力や集中力が散漫になることがありますので、医師・薬剤師にご相談下さい。


 ◆  じんましん(蕁麻疹)とは  ◆ 

皮膚の一部が突然に、赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると、あとかた無く消えてしまう病気です。

かゆみを伴いますが、チクチクした感じや、焼けるような感じをともなう場合もあります。
膨疹は、数十分から数時間以内に消えるのが普通ですが、中には、半日から1日くらい続くものもあります。

症状が激しい場合には、次々と新しい皮疹が出没して、常に皮疹が現れているように見える事もあります。





皮膚の表面には角層(表皮の最外層)があり、外部の刺激物などの侵入からからだを守る役目をしています。

角層の下に表皮と真皮がありますが、真皮には蕁麻疹の原因となるヒスタミンなどを蓄えている肥満細胞(マスト細胞とも呼ばれます)が存在します。

肥満細胞が何らかの刺激を受けると、ヒスタミンなどが放出され、このヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用すると、血液成分が血管外へ漏れ出して皮膚にミミズ腫れ、ブツブツ(膨疹)や赤み(紅斑)が生じ、また、皮膚に存在する神経に作用してかゆみを生じます。

その発生メカニズムには、アレルギー性と非アレルギー性とがあります。   


 ◆  『じんましん』の種類 ◆ 

じんましんは発病した症状による分類ではなく、原因による分類が一般的です。

急性蕁麻疹 毎日のように繰り返し症状が現れるじんましんのうち、発症して1か月以内のもの。細菌・ウイルス感染などが原因となっていることが多い。
慢性蕁麻疹 毎日のように繰り返し症状が現れるじんましんのうち、発症して1か月以上経過したもの。原因が特定できない事が多い。
物理的蕁麻疹 機械的擦過や、圧迫、寒冷、温熱、日光、振動などといった、物理的刺激によりおこる。
コリン性蕁麻疹 入浴や運動などで汗をかくと現れる蕁麻疹。一つ一つの膨疹の大きさが、1〜4mm程度と小さい。小児から、若い成人に多い。
アレルギー性蕁麻疹 食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こるもの。アレルゲンに結合するIgEが関与している。
イントレランス アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤、色素、造影剤、食品中の、サリチル酸などにより起こる蕁麻疹で、IgEは関与していない。
血管性浮腫 唇や瞼などが突然腫れあがり、2〜3日かかって、消える。痒みを伴わないもので、まれに遺伝性の場合がある。



◆  『じんましん』の原因・誘因 ◆ 

食物 魚介類(サバ、サンマ、マグロ、エビ、カニなど)
肉類(豚肉、牛乳、鶏肉など)
卵、乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)
穀類・野菜(大豆、小麦、ソバなど)
食品添加物(人口色素、防腐剤、パラベンなど)
薬剤 抗生物質、解熱鎮痛薬、咳止めなど
植物・昆虫 イラクサ、ゴム、蜂など(触れたり刺されたりしておきる)
感染症 寄生虫、真菌(カビ)、細菌、ウイルス
物理的刺激 機械的擦過、圧迫、寒冷、日光、温熱、振動
運動・発汗 内臓・全身性疾患(血液疾患、膠原病・血清病など)
疲労・ストレス(身体的なもの、精神的なもの)



◆  ストレスとの関係 ◆ 

ストレスは、しばしば蕁麻疹を悪化させる要因となります。
慢性蕁麻疹では、ストレスによって、症状が悪化する事が多いようです。

慢性蕁麻疹が出たり、治まっていた蕁麻疹が再び悪くなった場合、自分では気付かない過度のストレスに対する体からの信号と受け止め、精神のありようや仕事の内容を振り返る機会とするのも良いでしょう。



◆  かきむしり ◆ 

蕁麻疹は強いかゆみを伴います。
かくと一次的にかゆみが軽減しますが、かきむしりによって、しばしば蕁麻疹の範囲が広がりかゆみが増強します。

かゆいときは冷やすなどの処置も有効です。
人によっては、かきむしることにより皮膚を傷つけたり、新たに湿疹を生じることもあります。



◆  薬物治療 ◆ 

抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤が用いられます。

これらは、内服薬、注射薬として用いられた時に効果を発揮しますが、外用剤として使用する場合は多少の痒み止めくらいの効果しかありません。

多くの場合、薬を飲んでいれば症状は治まりますが、止めればまた元通りの症状が出るようになってしまう事があります。そのため慢性に経過する蕁麻疹の多くは、症状の有無に関わらず長期に渡り薬を飲み続ける必要があります。

抗ヒスタミン薬をのむと眠気が発現したり、注意力や集中力が散漫になることがあります。
自動車運転などの機械操作をする方や受験生など眠気があっては困る方はあらかじめ医師・薬剤師にご相談ください。