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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その92     (平成27年2月号)
Q  風邪とインフルエンザはどう違うのですか?

原因となる病原体が違うため、症状にも違いがあります。
風邪が発症後の経過が緩やかなのに対し、インフルエンザは突然に高熱が出て急激に症状が悪化します。
対応方法やお薬も違いますので注意が必要です。



 ◆  原因の違い  ◆ 

≪風邪≫
風邪は専門的には「かぜ症候群」と呼ばれ、いろいろな病原体が鼻やのどなどに取り付いて起こる、さまざまな症状をひとくくりにして「かぜ」と呼んでいます。

細菌などもかぜをひく理由の一つですが、原因の7割以上は、細菌よりもさらに小さなウイルスです。
かぜをひくのは寒い時期だけではなく、気温の変化やその他の刺激で、鼻やのどの粘膜が炎症を起こすことで病原体が取りつきやすくなり、かぜをひいてしまいます。
感染はかぜをひいている人の鼻水や唾液(だえき)を介して広がります。

≪インフルエンザ≫
インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染でおこる病気です。
寒さと乾燥に強く、暑さと湿気に弱いインフルエンザウイルスは冬に最も活発になり、例年11月頃から感染が目立ちはじめ、4月位まで流行が続きます。

インフルエンザウイルスは普通のかぜウイルスと違い、空気中にただよって長時間生存することができるので、ウイルスがいる空気を吸い込むだけでも感染することがあります。
そのため、感染者がいれば、その周辺にいる人にも感染しやすくなってしまうのです。



 ◆  症状の違い  ◆ 

≪風邪≫
かぜをひくと、鼻水やせき、発熱などの症状が現れます。
これらの症状は、ウイルスの刺激や毒素のせいで起こる場合もありますが、逆に、体が健康な状態に戻ろうとウイルスと闘っている「免疫機構」でもあります。

鼻水は鼻の粘膜を守ろうとして、咳はウイルスや細菌が混じった痰を吐き出そうとして、そして熱はウイルスと戦う免疫の力を強めるために脳が命令して発熱しているのです。

かぜの症状は普通は3日以内、長くても1週間程度で治ります。
あまり長く症状が続くものや、症状が変化するものについては、重い病気の前兆であることもありますので、注意が必要です。

≪インフルエンザ≫
インフルエンザウイルスが感染すると、1〜3日間の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などの全身症状がいきなりあらわれるのが特徴で、多くの場合、激しいせきをともないます。

高齢者では肺炎、小児ではひきつけや脱水症、脳症などの合併症を起こすことがあり、最悪の場合死に至るケースもあります。

 かぜインフルエンザ
 症状の出方 のどや鼻  全身に出る 
 進行  ゆるやか  急激 
 発熱  38度前後  39度以上 
 寒気  軽い  強い 
 鼻水  ひきはじめに出る  あとから出る 
 せき  軽く出る  たくさん出る 
 頭痛  軽い痛み  強い痛み 
 筋肉・関節痛  軽い痛み  強い痛み 

◆  治療法  ◆ 

<一般療法>
かぜでもインフルエンザでも基本となる治療です。

一番大切なのは体に元々備わっている「自然治癒力」です。
安静にして、十分な睡眠をとること。また、水分補給と、たんぱく質やビタミンC、ビタミンB群の豊富な食事をしっかりとることが大切です。



<薬物治療>

かぜ・・・市販薬と医師が処方するお薬があります。

・解熱鎮痛薬:熱を下げ、頭やのどなどの痛みをやわらげる効果があります。
・鎮痛消炎薬:のどの痛みや腫れをやわらげる効果があります。
・鎮咳去痰薬:せきを抑えたり、たんが詰まるのをやわらげる効果があります。
・鼻炎用薬:くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどをやわらげる効果があります。
・うがい薬:口の中を殺菌・消毒する効果があります。

いずれの薬も、医療機関や薬局できちんと説明を受けて服用しましょう。
服用期間の目安は3〜5日間とし、それでも症状が軽くならないなら、他の病気の恐れもあるので医師の診察を受けてください。


インフルエンザ・・・「原因療法」と「対症療法」があります。

「原因療法」
インフルエンザウイルスの増殖をくい止める薬(抗インフルエンザウイルス薬)で、早い回復に効果的です。 飲み薬、吸入薬、点滴があります。

抗インフルエンザウイルス薬が効果を発揮できるのは、症状があらわれてから2日以内ですので、インフルエンザにかかったと思ったら、すぐに医師の診察を受け、早期に治療を始めてください。

「対症療法」
高熱の場合には解熱鎮痛薬(熱を下げるお薬)を、黄色痰(たん)など細菌の二次感染が疑われる場合には、抗生剤(抗菌薬)を使います。

なお、大人用の薬は決して子供に与えないでください。薬は製品によって服用して良い年齢が異なります。例えばある種の解熱鎮痛剤をインフルエンザにかかっている子供が飲むと、重い脳炎・脳症を引き起こす恐れがあります。


◆   インフルエンザの感染を防ぐために  ◆ 

インフルエンザに感染したら、周りの人へ病気をうつさないために人混みや繁華街への外出を控え、無理をして学校や職場などに行かないようにしましょう。
また、咳・くしゃみが出る時には、マスクをするか、ティッシュなどで口と鼻を覆い、他の人からできるだけ離れましょう。「咳エチケット(エチケットマスク)」

マスクをすると、冷たい空気が直接のどを刺激しないので、せきを軽減させる効果もあります。

熱が下がったあとも、2日程度は他の人にうつす可能性があります。体力も消耗していますので、熱が下がっても2日ほどは静養しましょう。
学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」が原則的なインフルエンザによる出席停止期間と定められています。


◆  予防法  ◆ 

・十分な睡眠と適度な運動
睡眠不足からくる疲れとストレスは、かぜに対抗する免疫の働きを弱めます。
十分に休養をとり、体力や抵抗力を高めておきましょう。
また適度な運動は身体の調子を整え、抵抗力を養います。

・バランスの良い食事とビタミン補給
栄養の偏りや食べすぎは、体の調子を崩します。お酒の飲みすぎも同様です。
偏食・暴飲・暴食は控え、バランスのとれた食事を心掛けましょう。

・極端な厚着、薄着をしない
あまり厚着をしていると、寒さに対する抵抗力がつきません。といって、無理な薄着は逆効果。
暖房や冷房の効かせすぎも抵抗力を失います。

・手洗い、うがい、マスク
両手をしっかりとこすり合わせ、石鹸を泡立て、その泡で手のすみずみまで残さずに洗ってください。
うがいは、ウイルスに荒らされた粘膜に、さらに細菌がとりつく「2次感染」を防ぐため、重症化予防としての意味もあります。
また、鼻や口を覆って接触を避けるという意味や、鼻の中の温度と湿度を保つという意味で、マスクには感染を予防する一定の効果が期待できます。

・人ごみは避ける
ウイルスを持っている人のせきやくしゃみの飛沫を吸い込んでうつることがよくあります。 かぜやインフルエンザが流行してきたら、人混みや繁華街への外出を控えましょう。

・加湿
空気が乾燥すると、インフルエンザにかかりやすくなります。
外出時にはマスクを利用し、室内では加湿器などを使って適度な湿度(40%以上)を保ちましょう。

・タバコの吸い過ぎに気を付ける
タバコは血管を収縮させ、血液の流れを悪くするだけでなく、のどや肺に軽い炎症を引き起こし、ウイルスに対する抵抗力を弱めます。
もちろん、ひいてしまったときには絶対禁煙です。

・ワクチンによる予防法
かぜのウイルスには多くの種類があり、またそれぞれのウイルスは、時がたつにつれ少しずつ変化するため、有効なワクチンはまだ開発されていません。

一方、インフルエンザはワクチンの予防接種で、小中学生から大人までの年代なら、7〜9割の確率でインフルエンザの発症が抑えられます。

とくに高齢者の場合、重症化や、老人施設などでの集団感染を防ぐためにワクチン接種を受けましょう。

ワクチンは予防効果が現れるまでには2週間はかかりますので、遅くとも12月中には接種を済ませておくことをおすすめします。ワクチンの効果は約5ヶ月持続するとされています。












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