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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その93     (平成27年3月号)
Q  睡眠薬にはどんな種類がありますか?

一般的な睡眠薬は、薬の作用する時間の違いなどで
おおまかに4種類に分けられます。
寝つきが悪い・途中で目が覚める・眠りが浅いなど、
症状に応じて使用する睡眠薬は違ってきますので、
必ず医師又は薬剤師に相談してください。



 ◆  不眠のタイプ  ◆ 

不眠の症状は主に4つのタイプに分けることができます。
タイプによって対処方法、治療方法や薬が異なります。

1.「寝つきが悪い」(入眠障害)
床に入ってから眠りにつくまでの時間が長く(一般的に30分〜1時間以上)、なかなか寝つけない状態。

2.「睡眠途中に目が覚める」(中途覚醒)
いったん眠りについた後、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚めたり、一度起きた後になかなか寝付けなくなる状態。

3.「希望する時間より早く目が覚める」(早朝覚醒)
本人が望む時刻、あるいは通常の起床時刻の2時間以上前に目が覚めてしまい、その後眠れなくなってしまう状態。加齢に伴い増加すると言われています。

4.「眠りが浅い」(熟眠障害)
睡眠時間は十分であるにもかかわらず、ぐっすり眠れた、または深く眠れたという感覚が得られない状態。

場合によっては、複数のタイプを伴っている場合もあります。



 ◆  不眠の原因  ◆ 

不眠の原因は様々ですが、主な理由を挙げておきます。

 1.加齢に関係する不眠
・昼寝を長くとり過ぎる。
・極端に早く布団に入ってしまい、睡眠覚醒リズムが乱れる。
・体のことを気にしやすくなり、心理的に気分が落ち込みやすくなる。
・膀胱が小さくなり、夜間の尿意によって目が覚めることが多くなる。
・仕事や家事が少なくなり、活動量が低下することで生活リズムが乱れる。

 2.病気に伴う不眠
・うつ病、認知症、脳梗塞、前立腺肥大症などに伴う不眠。
・腰やひざの痛み、かゆみ、せきなどの症状による不眠。

 3.その他の原因
・何かのきっかけで数日間眠れなくなると、もう眠れないのではないかと気になり、かえって眠れなくなる。
・寝る間際まで集中して何かをしている(仕事やテレビ鑑賞等)と眠れなくなる。
・騒音、室内が明るすぎる、暑すぎる、寒すぎる、湿度が高いなど、睡眠環境が悪い場合。
・他の病気で処方されている薬により不眠が生じることがある(尿の出をよくする薬、ステロイド、喘息の薬、精神に作用する薬、パーキンソン病の薬等)。



 ◆  主な不眠症の治療薬  ◆ 

現在最も多く使用されている不眠症治療薬は、作用する時間によって主に4つの種類に分けられます。【 】は成分名です。

≪超短時間型≫
(作用時間)2時間〜4時間
【トリアゾラム、エスゾピクロン、ゾピクロン、ゾルピデム酒石酸塩】

≪短時間型≫
(作用時間)6時間〜10時間
【ブロチゾラム、リルマザホン塩酸塩水和物、ロルメタゼパム、ペントバルビタールカルシウム】

≪中間型≫
(作用時間)20時間〜30時間
【エスタゾラム、ニトラゼパム、ニメタゼパム、フルニトラゼパム、アモバルビタール】

≪長時間型≫
(作用時間)50時間〜100時間
【クアゼパム、ハロキサゾラム、フルラゼパム塩酸塩】




≪その他の睡眠薬≫

◆体内のリズムを整える薬(メラトニン受容体作動薬【ラメルテオン】)
メラトニンは、体内時計の調節に関係し、睡眠と覚醒のリズムを調節する働きがあるホルモンの一つです。
メラトニン受容体作動薬は、脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を介して睡眠と覚醒のリズムを整えて睡眠を促します。

◆脳の覚醒を抑える薬(オレキシン受容体拮抗薬【スボレキサント】)
オレキシンは、起きている状態を安定化させる脳内の物質です。
オレキシン受容体拮抗薬は、オレキシンの働きを弱めることによって、脳内の覚醒に関わるシステムを抑制し脳の状態を覚醒から睡眠に切り替えることを助けて眠りに導きます。


◆  薬を飲むときの注意事項  ◆ 

薬はきちんと使用しないと、本来の効果が発揮できません。
下記内容に気をつけて服用して下さい。

・薬を飲んだら速やかに横になって休みましょう。
・アルコール類と一緒に飲まないで下さい。
・自己判断で薬の服用量を増やさないで下さい。
・服用を止める時は医師または薬剤師の指示に従って下さい。
・服用している間は自動車の運転、危険を伴う機械の操作には注意して下さい。
・他人に譲らないで下さい。

◆   快眠のための工夫  ◆ 

日常生活を工夫することで眠りを良くすることができます。

・昼間適度に運動したり、外出したりして生活のリズムのメリハリを保つ。
・夕方以降にコーヒーやお茶を飲むのを控える。
・眠りを妨げている病気や症状を治療する。
・入浴後は少し体を冷ましてから床に入る。
・昼寝は午前中や夕方は避け、午後3時までに短時間(20分程度)。
・遅くまで起きていたい人は夕方に日にあたるようにする。
・寝付きが良くない人は午前中早い時間帯に日にあたるようにする。
・眠りやすいように睡眠環境を整える。