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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その96     (平成27年6月号)
Q  爪白癬とは何ですか?

白癬菌による爪の水虫のことです。症状は爪が白色や褐色に濁り、分厚くなりますが、爪には神経がないためかゆみや痛みといった自覚症状はありません。治療は塗り薬などを使いますが、根気よく治療を続けることが大事です。


 ◆  爪白癬とは?  ◆ 

爪白癬とは、爪に発生する水虫の一種で、白癬菌(はくせんきん)というカビが原因で起こる感染症です。
他の水虫と比べてかゆみなどの自覚症状が少ないことが特徴で、発生していることに気づかないで放置してしまい、知らぬ間に悪化させてしまうことも少なくありません。
爪白癬は、日本人の10人に1人がその症状を持っているともいわれています。


◆  爪白癬の症状  ◆
・爪が白色や黄色に濁る
・爪がポロポロと欠ける
・爪が厚くなる
・爪が変形する
・ひどくなると、歩くたびに痛みを感じる
 などがあります。


◆  爪白癬の原因  ◆
爪白癬の原因は、足水虫と同じく白癬菌というカビです。白癬菌は、ケラチンというタンパク質をエサにし、高温多湿な状態を好みます。

爪白癬のほとんどは、 白癬菌が爪の中に侵入し、爪の下部である爪甲下(そうこうか)をすみかとするものです。
爪の表面は硬くできているため、白癬菌も侵入しづらいのですが、爪 甲下は水分が多くて軟らかく、またケラチンも豊富に含んでいるために、白癬菌にとって格好のすみかとなります。

足水虫がある場合は、足水虫からは白癬菌が供給されて爪白癬になることもあります。
また、爪白癬も他の水虫と同様にカビによる感染症なので、周囲の人間から白癬菌が感染して発病することがあります。










 ◆  爪白癬は治るの?  ◆ 

爪白癬の治療には、原因となる白癬菌を退治する薬が使われます。完治するには爪が生えかわるまでの時間がかかります。爪が完全に生えかわるには、手の爪で約半年、足の爪で約1年かかりますが、年齢やどの爪かによって爪が伸びる速さが異なるので、根気良く治療を続ける必要があります。

◆  爪白癬の治療法  ◆

≪ 薬物療法 ≫
爪白癬治療の薬物療法には、塗り薬と飲み薬が用いられます。

◆ 塗り薬
足水虫の治療では中心的な役割を担う塗り薬ですが、爪白癬を塗り薬だけで治すことは困難です。
なぜなら、爪の外側から直接塗り薬を塗っても、爪が硬くて塗り薬の成分が白癬菌まで届きにくいからです。

最近新しく、爪にハケで塗るタイプの医療用の塗り薬も発売になりました。
最新の薬は患部である爪に直接塗りますが、それ以外は爪の周辺、たとえば爪のつけ根を覆う皮膚である爪上皮(甘皮)などに塗ります。


◆ 飲み薬
外側からでは成分が届かない爪の中の白癬菌も、飲み薬ならば体の中から直接成分が届きます。
また、飲み薬はその成分が直接白癬菌に届くだけでなく、薬の成分が体内に長時間とどまるという利点があります。

飲み薬を服用するためには、血液検査が必要となります。
定期的な血液検査を行うことにより、治療の経過を確認するとともに、薬の副作用等のチェックを行うことができます。
もし、なんらかの異常が発見された場合には、薬の変更や休止などの措置をとることがあります。

◆ 日常で気をつけること
カビの一種である白癬菌は、高温多湿のジメジメとした状態を好みます。
爪白癬の予防においては、白癬菌の繁殖を抑え、周囲の人間にうつさないように白癬菌の好む状況を生活環境から取り除くことが大切です。

具体的には、以下のような対策があげられます。

◆ 白癬菌を生活環境から排除する方法
○足をよく洗い清潔にする
○足をよく乾燥させ、湿ったままの状態にしておかない
○部屋の通気を良くする
○足に直接触れるもの(バスマットや靴下等)はこまめに洗濯をする
○頻繁に床の掃除をする