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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その98     (平成27年8月号)
Q  皮膚を痛めないテープ剤の剥がし方を教えて下さい。

シップや絆創膏などを剥がすときには、肌にダメージを与えないように、皮膚を押さえながら、折り返すようにゆっくりと剥がしましょう。粘着力が強く剥がしにくい場合には剥離剤を使用すると楽に剥がせます。




 ◆  医療用粘着テープの種類  ◆ 




 ◆  テープ剤による皮膚トラブル  ◆ 

テープ剤による皮膚トラブルには、大きく分けて2つの原因があります。




≪1.物理的刺激≫
@緊張性水疱
緊張性水疱とは皮膚の表面に強い力が連続してかかることでできる水疱(水ぶくれ)です。
テープ剤貼付部位の端部にできやすく、テープ剤を強く引っ張って貼付したときにテープ剤が元に戻ろうとする力や、肘や膝などの屈曲部にかかる力が原因となって生じます。

A角質・表皮剥離
テープ剤を剥がす際には、膏体とともに角質も剥がれます。
強い力で一気に剥がしたり、同じ部位で剥離を繰り返したりすると、ひどいときには角質だけでなく表皮まで剥離することもあります。
角質・表皮が剥離されると皮膚が赤くなり、真皮が露出するために疼痛が生じます。また、外的要因による感染のリスクも高まります。




B浸軟
浸軟とは、テープ剤の長時間の貼付により発汗や不感蒸泄が妨げられ、皮膚が白くふやけた状態です。
浸軟した皮膚は角層のバリア機能が弱くなっているため、刺激物質が皮膚の内部に入りやすくなったり、皮膚表面のpH が高くなるため、細菌が増殖しやすくなったりすることが報告されています。


≪2.科学的刺激≫
@刺激性接触皮膚炎
テープ剤による刺激性接触皮膚炎は、テープ剤の原材料に含まれる化学物質やテープ剤を貼付する前に皮膚に付着・接触していた物質が皮膚中に浸透して引き起こされる皮膚炎です。
紅斑、水疱、痒み、疼痛などの症状があらわれます。

Aアレルギー性接触皮膚炎
テープ剤によるアレルギー性接触皮膚炎は、テープ剤の原材料に含まれる化学物質にアレルギー反応を起こして生じる皮膚炎です。
特定の原因物質(アレルゲン)に接触したことのある“感作の成立した”人がアレルゲンに再度接触することによって発症し、テープ剤貼付後12-24 時間に痛みを伴なった紅斑、浮腫、丘疹、小水疱などの症状があらわれます。



 ◆  テープ剤の貼り方、剥がし方  ◆ 

≪貼り方≫
テープ剤は清潔で乾いた皮膚に貼りましょう。汚れなどがある場合にはふき取ってから貼りましょう。
ライナーを剥がした後、テープ剤の中央から両側に向かって押さえながら貼り、端部をなでるようにして固定します。
片側を押さえて引っ張るようにして貼ると皮膚が引っ張られるため、無理に伸ばして貼らないようにしましょう。
関節など曲げ伸ばしがある部分には、関節を曲げて貼ったり、切込みを入れて貼ったりしましょう。

アレルギーの出る方は事前にパッチテストを行いましょう。
用法・用量を守り、必要以上に長時間貼付することを避けましょう。
また、皮膚が乾燥するとバリア機能が低下して、刺激を受けやすくなりますので、日頃からスキンケアを行って、皮膚のバリア機能を保つようにしましょう。


≪剥がし方≫
周囲の皮膚を手で押さえながらゆっくりと剥がしましょう。 皮膚とテープ剤の角度が大きく、かつ剥がす速度が遅いほど、皮膚にかかる負担が軽減されます。


テープ剥離剤(リムーバー)も発売されています。これは、刺激の少ない液体からできたもので、粘着剤と皮膚の間に浸透して、テープを剥がしやすくする効果があります。

(大分大学医学部附属病院薬剤部作成資料より引用)