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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その100     (平成27年10月号)
Q  インフルエンザワクチンはいつ接種すればいいですか?

個人差がありますが、ワクチン接種によるリスク軽減までには時間がかかります。毎年12月ころからインフルエンザの流行が始まりますので、その2週間ほど前までにワクチン接種をするのが望ましいでしょう。




 ◆  1.インフルエンザワクチンとは?  ◆ 

人間の体内にウイルスが入ると、そのウイルスと戦おうとする働きをもった物質を作り(抗体といいます)、再度同じウイルスが体内に入ってきたときに感染・発症しにくくするという働きがあります。

これを免疫と呼び、予め微量ウイルスを接種しこの免疫の働きを利用し抗体を作る目的がワクチン接種です。
ただし、インフルエンザワクチンを接種したからと言ってインフルエンザに罹らなくなるわけではない、ということだけは理解しておいてください。



 ◆  2.どのような人が対象になりますか?  ◆ 

インフルエンザワクチンの予防接種対象となるのは、主に高齢者や小児、重い病気を患っている方々です。

症状の増悪により入院したり死亡することを防ぐのが目的ですが、それ以外の多くの人に接種を実施し、家族や学校含め周囲の人に感染を広げない、ということも重要です。

ご自身は健康な成人でも家族に乳幼児や高齢の方、また病気の人がいるお宅では接種するほうが良いでしょう。



 ◆  3.インフルエンザワクチン効果と問題点  ◆ 

インフルエンザワクチンの効果については、毎年のように新しい調査が実施されています。

インフルエンザワクチンは今年の流行を予測してワクチンを作っているために、その予想が外れた年は効果が低いこともあります。
ただし健康な成人ではおよそ60%程度の方で発症や増悪化を防ぐ効果があると考えられます。

インフルエンザワクチンの効果の発現と持続時間ですが、ワクチン接種後2週間〜5カ月間程度効果が持続するとされています。

@生後6カ月以上〜13歳未満は基本的に2回接種
接種間隔は2〜4週間とされています。できれば4週間程間隔をあけて接種した方が良いでしょう。
(1回目の接種時に12歳、2回目の接種時に13歳になる方は、2回接種行うようにして下さい。)
※「1歳以上」の場合もありますので医療機関にて確認して下さい。

A13歳以上は1回または2回接種
接種間隔は1〜4週間とされています。できれば4週間間隔をあけて接種した方が良いでしょう。
13歳以上で持病のある方やご高齢の方は2回接種とすることもあります。医師と相談して決めて下さい。



 ◆  4.昨年と本年との差は  ◆ 

昨年まではインフルエンザワクチンは3価(3種のインフルエンザ株は入っている)でしたが本年、2015/2016シーズン(平成27年秋冬)からのインフルエンザワクチンは4価ワクチンになります。

昨年の3価(A型2種類、B型1種類)から、B型株が1種類追加され、4価(A型2種類、B型2種類)になり、抗原が増量されました。
このことによりいわゆるはずれのリスクをさげます。
しかしインフルエンザワクチン接種に係る負担金は若干高くなると思われます。



 ◆  5.インフルエンザワクチン接種後の課題  ◆ 

インフルエンザワクチンを接種したのち、注射した部分が赤く腫れたり、硬くなったり、かゆみ・痛みが出ることがあります。

また、発熱や頭痛、関節痛、下痢、倦怠感などの風邪の症状にも似た症状がみられることもあります。

通常2〜3日の安静で症状は消えますので、心配はないと思われますが、もし気になるようであれば接種をうけた医療機関に相談してください。

また、まれですがワクチン接種後にショック、じんましん、呼吸困難などが出ることがあります。
そのほとんどは接種30分以内に生じますので、しばらくは医療機関にとどまるか、担当の医師にすぐ連絡して下さい。



 ◆  6.最後に  ◆ 

インフルエンザワクチン接種すればインフルエンザにかからないわけではありません。

ワクチン接種していてもインフルエンザになる方は沢山いらっしゃいます。しかし症状の軽減化という意味でも有用性はあると考えられます。

基本的にはうがい・手洗いや不要な外出を控える、人込みは避けるなど普段からのケアが大事です。
学校や職場、通勤・通学、年末年始帰省のための移動などが感染拡大の一因でもあります。

さらにインフルエンザ脳症はインフルエンザワクチンでは予防できません。
また、インフルエンザの特効薬であるタミフルやリレンザ、イナビルを投与しても、インフルエンザ脳症は予防できません。
インフルエンザ脳症はインフルエンザに罹ったお子さんが発症するものです。
ということは、インフルエンザにならなければ、インフルエンザ脳症にかかることはありません。
この点でもワクチン接種の意義が認められています。

予防接種を行ってインフルエンザにかかるリスクを軽減することは、行なわなかった人がインフルエンザに感染するリスクも下げることにもつながります。

かかりつけ医師、または最寄りの医療機関とよく相談して、接種の有無を確認して下さい。