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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その104     (平成28年2月号)
Q  しもやけの痒みにかゆみ止めは使えるの?

つらいしもやけの痒みに、かゆみ止めは有効です。
しかし、しもやけは寒さによる血行障害が原因でおこるため、かゆみ止めを塗っても、しもやけは治りません。
温めるなどして血液の流れをよくしましょう。



 ◆  冬の季節病 しもやけ  ◆ 

寒い環境で生じやすい肌のトラブルに、しもやけがあります。別名、凍瘡(とうそう)とも呼ばれ、おもに手や足、耳たぶや鼻、頬に赤い発疹や腫れが生じ、かゆみや痛みを伴うのが特徴です。寒い時期に見られることから、冬の季節病とも言えるでしょう。

しもやけと聞くと大した病気ではないように思いがちですが、実は重症化すると手足を切断…なんてことにもなりかねない怖い症状です。



 ◆  しもやけの原因  ◆ 

しもやけの原因は、血行不良です。
血液が届かないと、栄養も運ばれず、その部分に炎症が起こることで、しもやけになります。
寒くなると血管は動脈、静脈ともに収縮しますが、動脈は温められるとすみやかに元に戻りやすいのにくらべ、静脈は戻りにくいという性質があります。
この時間差によって血液の循環が滞り、体の末梢部分にある手足や耳に栄養が届かなくなって、うっ血や炎症といった症状が起こると考えられています。

たとえば、デザイン重視の細いパンプスやきゅうくつなブーツ。こうした靴を長時間はき続けると、足の指先が圧迫されて血行が悪くなります。
また、最近ブームとなっているジョギングなどのスポーツも、汗をかいたままでいると衣類が湿った状態となって肌が冷え、しもやけを引き起こす場合があると考えられます。


◆  しもやけの症状  ◆ 

しもやけの症状は、大きく2つのタイプに分類されます。
1つは、手足全体が熟れた柿のように腫れあがる「樽柿型」、もう1つは手足の指や足の裏(ふち)、耳たぶや鼻、頬に赤い発疹が出る「多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)型」です。




いずれの場合もひどくなると水疱が生じ、さらにそれが破れてびらん(ただれ)を生じたりします。

こうしたしもやけと似ている症状に、「ひび」「あかぎれ」があります。
同じく冬に多い肌トラブルですが、しもやけが赤く腫れてむずがゆいのにくらべ、「ひび」「あかぎれ」は水分喪失による肌の亀裂や出血、痛みをともなう症状があることから区別できます。

また、しもやけの別名である凍瘡(とうそう)と似た言葉に凍傷(とうしょう)があります。
どちらも寒さが原因で生じますが、しもやけが日常的な寒さから生じるのに対し、凍傷は氷点下の冬山登山などのように急激に長時間、厳しい寒冷にさらされることで引き 起こされるという違いがあります。
凍傷では皮膚組織が凍結し、壊死が深い部分にまで達するなどして、外科的処置が必要となることもあります。しもやけは一般的に、そこまで重症化することはありません。むしろ日常生活におけるこまめな寒さ対策、継続した肌のケアが必要となってきます。


◆  しもやけの治療方法  ◆ 

しもやけの治療においてはまず、末梢の血行不良を改善することが重要となります。
毛細血管を拡張するはたらきのあるビタミンEを内服するほか、ビタミンEやヘパリン類似物質が配合されたクリームを塗って、血行改善につとめます。

かゆみがあり、皮膚が赤みをおびている場合には、炎症を抑える目的でステロイド外用剤を塗ると良いでしょう。
ステロイド外用剤はしもやけのように、かゆくてついかいてしまう皮膚炎などの肌トラブルに対し、すぐれた抗炎症作用を発揮してくれます。

ただし、1週間ほどステロイド外用剤を塗って、赤みやかゆみが改善しないときは医療機関を受診して下さい。

かゆみが強い場合には、あわせて抗ヒスタミン剤の服用も検討されます。

また、しもやけが悪化して水疱ができたり、びらん(ただれ)が生じてしまうと、感染の恐れがでてきます。
そうした場合には、細菌増殖を防ぐはたらきのある抗生物質が含まれるステロイド外用剤が適していますので、医師や薬剤師に相談しましょう。


◆  しもやけの市販薬  ◆ 

ヒビケア


池田模範堂
血行を良くする成分と、かゆみを抑える成分が含まれており、あかぎれにも働きかけます。



ユースキンA


ユースキン製薬
乾燥する季節にお使いの方も多いユースキンにも、しもやけへの働きが期待されます。血流ケアや、炎症を抑える成分が含まれています。



オロナインH軟膏


大塚製薬
にきびややけど、水虫など、さまざまな用途で使用できるオロナインH軟膏は、血流が良くなるように働きかける成分が入っています。



虫さされの薬


虫刺され用の塗り薬の中には、効能に「しもやけ」の記載があることがあります。
すべての商品が当てはまるわけではないので、ご家庭の虫さされの薬の「効能」の欄をご確認下さい。


◆  しもやけの予防対策  ◆ 

【冷やさない / 血行を妨げる服装をしない】
最近はどこでも暖房がきいているため、冬でも薄着の人が増えていますが、防寒はしもやけ対策に欠かせません。

外出時は手や足、耳など、露出する部位はできるだけ衣類や防寒グッズで覆うようにしましょう。
また、炊事や洗濯で肌を濡れたままにしておくと、その水分が蒸発するときに一緒に体温も奪われ、肌が冷え、しもやけができやすくなります。
ブームのジョギ ングなどでも、汗をかくと気分は爽快になりますが、靴下や手袋を湿ったままにするのは危険です。
肌に残った水分はそっとふき取り、濡れた衣類はなるべく早くとりかえるようにしましょう。

ストッキング、きつい靴、ヒールの高い靴、補正下着、タイトなパンツなど、血流を妨げるものや、体の自由が奪われるような服装は避けてください。
体が上手く動かせないと、筋肉の動きも悪くなり、さらに体の末端にまで血液が流れにくくなります。
どうしても、血流が悪くなる服装になってしまう方は、小まめにマッサージを行ったり、体を動かしたりしましょう。

【 食 事 】
食事の際には、血行を改善する効果のあるビタミンEを多く含む食べ物をとるよう心がけて下さい。
ビタミンEは落花生や大豆、アーモンドなどの豆製品や、たらこ、マヨネーズやサラダ油などの植物油に多く含まれています。


【マッサージをする】
マッサージをすることで、血行が良くなって炎症がおさまります。
タイミングとしては、比較的血行が良くなっている入浴中や、入浴後がおすすめです。
しもやけによる赤みや腫れのある箇所をマッサージすると、症状が悪化することがあるので、足首や手首など、しもやけのある箇所の付近を手でつかみ、もむようにしてマッサージするのが効果的です。

特に足首には太い血管があるため、この付近の血行を促進すると、体中の血行が促されることを期待できます。


【温冷足湯をする】
ただの足湯でも血行の促しが期待できますが、お湯と水に交互に足をいれる、「温冷足湯」は、乱れた血流を整えてくれます。
そのため、継続すると、根本的にしもやけになりにくい体質になることもできます。




【運動をする】
しもやけを引き起こす血行不良は、筋肉量を増やすことで改善されます。
筋肉は、血液を体中に送るポンプのような役割を持っているからです。

筋肉量が少ない方や、普段運動をしないという方は、意識的に体を動かすだけでも、体が冷えにくくなるのを感じるでしょう。
運動は、特にふくらはぎの筋肉を使うものだと、血液の循環を効率よく促進することができます。
ふくらはぎは、「第二の心臓」と呼ばれるほど、血液の流れに深くかかわっています。


【 おすすめの運動 】

・スクワット
スクワットは、特に下半身の筋力をアップさせる働きがあります。
筋肉の70%は下半身に存在することから、筋肉量を効率的に増やすことができます。


@肩幅よりやや大きく両足を開き、背筋を伸ばして立ちます。
両腕は、頭の後ろで組んでください。
A背筋は伸ばしたまま、腰をゆっくり落とします。
太ももと床が平行になる場所で一瞬、静止します。
B息を吐きながら、ゆっくり@の姿勢に戻ります。
10〜20回繰り返しましょう。



・かかと上げ
「第二の心臓」と言われるふくらはぎの筋肉を使ったエクササイズです。
ふくらはぎの筋肉の収縮が、血行を促進します。



@脚を肩幅より少し小さくひらいて立ちます。
Aかかとをゆっくりとあげてください。
※壁などに手をつくとバランスが取りやすくなります。
Bかかとをあげたところで、3〜5秒間そのまま静止します。


      (出典:肌らぶ/田辺三菱製薬)



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