←トップページに戻る        ←くすり問答 目次へ

今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その109     (平成28年7月号)
Q  「経口補水液」とはなんですか?

   電解質と糖質のバランスを考えた、飲む点滴のようなものです。
感染性胃腸炎、かぜによる下痢・嘔吐。発熱を伴う脱水症状、水分不足による脱水症状、過度の発汗による脱水症状などに効果的です。



 ◆  経口補水液の開発  ◆ 


発展途上国では、衛生面の整備が遅れているので、感染症が多発して、下痢や嘔吐による脱水症への対処が生命維持に大切です。
体内での効率の良い水分吸収には、電解質と糖質が必要であるという発見をもとに開発されたのが、この水分補給飲料の経口補水液です。



 ◆  電解質(イオン)とは?  ◆ 

この電解質(イオン)は、細胞の浸透圧を調節したり、筋肉や神経の働きに関わるなど、身体にとって重要な役割を果たしています。

電解質(イオン)は少なすぎても多すぎても細胞や臓器の機能が低下し、命にかかわることがあります。主な電解質(イオン)には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。



 ◆  脱水状態になると・・・  ◆ 

人間の身体は、成人で6割が体液から成っています(お年寄りでは5割、新生児では7〜8割と、年齢によって割合に変化がみられます)。
体液とは、血液・リンパ液・唾液・粘液・消化液・唾液・尿など、人間の身体が生命活動を行ううえで欠かすことのできないものです。
この体液が失われた状態を、脱水症状といいます。

脱水症状を起こすと、酸素や栄養素がうまく体内に行き渡らなかったり、老廃物を排出することができなくなったり、体温をうまく調整できなくなるなどの問題が生じます。
治療を怠ると命にかかわることもあるので、症状に気付いたらすぐに処置を行うことが必要です。



 ◆  脱水症状の原因  ◆ 

脱水症状は、体内に入ってくる水分量の減少と体外に出て行く水分量の増加が主な原因です。
そのため、以下のようなときには特に注意が必要です。

・体調不良などであまり食事をとれない時(水分は、飲料だけでなく食事からも体内に取り込まれています)
・暑い時(汗で多くの水分が奪われます)
・嘔吐・発熱・発汗(水分が多く体外に排出されます)
・高齢者(体内の水分量が少ないため、普段より汗をかくだけでも水分が不足します)
・お子様(代謝が活発なので、気づかないうちにたくさんの水分を失っています)

水分が体外に出て行く時には、電解質も一緒に排出されています。
汗をなめると、しょっぱい味がしますよね。脱水症状の予防には水分だけでなく電解質が欠かせないということを忘れないでください。


 ◆  経口補水液の飲み方  ◆ 

健康な場合でも飲んでいいの?
健康な状態で飲んでも問題はありませんが、健康状態がさらによくなるものではありません。
他の飲料と比べて、塩分やカリウム等が多く含まれているので注意しましょう。

スポーツドリンクとは違うの?
スポーツドリンクは、習慣的に飲む飲料としては糖分が多く、摂取カロリー、口腔の衛生面でもケアが必要です。また体への水分吸収がゆっくりで、電解質濃度も不十分になります。
脱水症状が心配な時には、経口補水液の方がいいでしょう。
ミネラルウォーターやお茶では、電解質がほとんどなく、電解質を一緒に摂らないと体液が薄まり、体は体液バランスを元に戻すために、水分を体から放出しやすくなると言われています。
脱水症状には経口補水液をおすすめします。