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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その119     (平成29年5月号)
Q 子供に上手に薬を飲ませる方法はありますか?

  
病気でぐったりしていたり、ごきげんの悪い子供に、薬を飲ませるのは大変なことです。
子どもの中には味覚が鋭敏な子もいて、薬の味をいやがることや、うまく飲み込めないことがよくあります。
けれど、薬は医師の指示通りにきちんと飲んではじめて効果が出るものです。飲ませるためのちょっとしたコツや工夫を知っておきましょう。



 ◆  1.剤形変更  ◆ 

お薬の種類には、シロップ剤、粉薬(ドライシロップ剤、細粒、顆粒)、錠剤、カプセル剤などがあります。
子供用の薬は甘味を付け飲みやすい工夫がされているものも少なくはありませんが、限られた剤型しかない薬もあります。

子供により粉薬は飲めないが錠剤やカプセルなら飲める場合やその逆の場合もあります。年齢による剤型選択をあります。
剤型の選択については、薬剤師にご相談下さい。



≪剤型別の上手な服用について≫

○シロップの場合
シロップを飲ませるコツは、なるべく口の奥に入れてすぐさま水などで流し込むこと。
おちょこのような小さなコップやスプーンを使うといいです。

よく容器のフタで薬を飲ませているという話も聞きますが、雑菌が繁殖して不衛生になりがちです。絶対にやめましょう。

シロップを飲ませるのにはスポイトを使うと便利です。
吸い上げて一発で口の奥に入れることのできるスポイトはじっとできないお子さんに飲ませるにはもってこいですが、使用後のスポイトをきちんと洗ってしっかり乾燥させないと雑菌が繁殖して不衛です。
後処理を考えると、簡単に洗えてしっかり乾燥させることができるスプーンやコップの方が手軽といえるでしょう

○粉薬・ドライシロップの場合
粉薬・ドライシロップは、赤ちゃんならば少量の水でペースト状に練って上顎に塗りつけ、すぐさま水分を与えて流し込む、という方法がよく勧められています。
あまり奥に塗りつけると「オエッ」となってしまいますから気をつけてください。

離乳食以降ならジュースやゼリーなどに粉薬を混ぜ込ませて与える、というのがオススメですが、ここでポイントなのが「一口で終わる分量にする」ということです。
あまりにも量が多いと何回もあげなくてはいけなくなってしまいますし、風邪で食欲が落ちている時には薬とはいえ食後にそれほどたくさん口にするのは辛いもの。
なるべく一口で済む分量にしてあげましょう。







 ◆  2.好きなジュースやおやつなどに混ぜて服用させる  ◆ 

子供に処方される薬の多くが「酸味のあるものとの相性が悪い」のです。

薬は元々苦いものに甘いコーティングがされているのですが、酸味のあるものと一緒に服用するとコーティングが剥がれやすく、苦味と酸味のダブルパンチになってしまうのがその原因。
特にスポーツドリンクはそれ自体が酸味と甘みが強いので薬を一緒に飲むととても美味しくないようですね。
良かれと思ってお子さんの好物と混ぜても飲んでくれない、というお子さんはこれが原因かもしれません。混ぜるなら牛乳やココアといった酸味のないものがおススメです。

ゼリーやプリン、アイスクリームが王道ですが甘い練乳やチョコ味になるココアの粉と一緒に練って服用するのも飲みやすいようです。
飲み物同様練り込むものは酸味の強いヨーグルトは避けたほうが無難です。
また、薬の中には乳製品と一緒に服用すると効果がなくなってしまうものもあるので、処方された時には混ぜても大丈夫なものを薬剤師さんに確認しましょう。

味ではなくザラザラ感や口に張り付く感じが嫌だという子も多いようです。
そういった子は水分に混ぜるのではなくアイスやジャムなどに練り込むのもいいです。イチゴ味のお薬はイチゴジャムに、というようにお薬自体についている味になじむものがいいでしょう。


 ◆  3.これはやっちゃダメ!NGな飲ませ方  ◆ 

おススメの飲ませ方がある一方で「これはしない方がいいよ」というNGな飲ませ方もあります。

ミルクやおかゆといったごはんに混ぜてしまうのはNG。
味が口に合わなかった時にミルクやご飯を嫌いになってしまう可能性と、おかゆなどは固形である分、美味しくなかった時に全量取ることができないのでオススメできません。

【形状を変えない】
水に溶けにくいドライシロップを砕いて細かくする、シロップをシャーベットにするというようなことは味付けのコーティングが剥がれたりして逆に飲みにくくなる原因になったり、本来の効き目がなくなってしまうこともあります。

【混ぜて作り置きしない】
薬を何かに混ぜてからあげる場合は一回づつ作るようにし、混ぜたものを作り置きするのはやめましょう。
作り置きすることで薬本来の味が溶け出してしまって逆に飲みにくくなったり、成分が変質して効き目がなくなってしまうこともあります。
安全に飲むためにも絶対にやめましょう




 ◆  お薬と混ぜると飲みやすくなる食べ物一覧表  ◆ 


※味の好みは、子供によって違いますので、あくまで参考です。
薬の種類薬の名前混ぜるとよい混ぜると飲みにくい
抗生剤ユナシン牛乳オレンジジュース
スポーツドリンク
ヨーグルト
フロモックス
(潰したり溶かすと
苦みが出る)
牛乳
ヨーグルト
アイスクリーム
オレンジジュース
パインジュース
クラリス
クラリシッド
牛乳
コンデンスミルク
アイスクリーム
プリン
オレンジジュース
ヨーグルト
スポーツドリンク
他、酸味のあるもの
リカマイシン
ケフラール
 食べ物と一緒に飲んではいけない
(空腹時の服用が好ましい)
セフゾン 食べ物と一緒に飲んではいけない
(空腹時の服用が好ましい)
粉ミルクと混ぜると便が赤くなることがあります
メイアクト牛乳
オレンジジュース
そのまま水に溶かすと苦みがある
トミロン牛乳
オレンジジュース
 
バナン牛乳オレンジジュース
スポーツドリンク
パセトシンアイスクリーム
スポーツドリンク
 
エリスロシンドライシロップアイスクリームオレンジジュース
ヨーグルト
スポーツドリンク
他、酸味のあるもの
ジスロマック牛乳
アイスクリーム
プリン
オレンジジュース
ヨーグルト
スポーツドリンク
他、酸味のあるもの
ミノマイシン 牛乳(吸収の低下)
乳製品
スポーツドリンク
抗ウイルス薬タミフルオレンジジュース
スポーツドリンク
ヨーグルト
チョコアイス
アップルジュース
乳酸菌飲料
バニラアイス
去痰薬ムコダイン ヨーグルト
去アレルギー薬ゼスラン 牛乳
気管支拡張薬ホクナリン ヨーグルト


 ◆  4.お薬の保管方法  ◆ 

粉薬は耐水紙に分包されている場がほとんどですが、湿気が多いとすぐに固まったり、溶けたりしてしまいます。
薬箱か、ふたの閉まる空き缶などに入れて日の当たらない場所で保管しましょう。

また、よくやってしまいがちなのが『病気がすぐに良くなったから、余ったお薬は次に何かあった時のために取っておこう』というもの。
ですが、特に子供の薬は、症状の他、子供の体重や成長の度合いに合わせてお薬の量を決めてあるので、次の時にはお薬が合わなくなっている事がほとんどです。

お兄ちゃんの風邪の時にもらった薬を、弟くんが風邪を引いた時に飲ませてしまうのがイケナイのも同じ理由によるものです。
余った薬はもったいない!と感じてしまうかもしれませんが、思い切って捨ててしまいましょう。

【最後に・・・】
飲めないお薬がのめた時にはたくさん褒めてあげましょう。
おじいちゃんおばあちゃん、幼稚園・保育園の先生や友達のママさんなど「第三者」の力を借りて「○○ちゃんお薬飲めるの?偉いねー!」と一芝居打ってもらいましょう。
きっとやる気を出してくれますよ!