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今月のくすり問答


薬の飲み方Q&A その121     (平成29年7月号)
Q 赤ちゃんが、大人の薬を間違って飲んでしまいました。どうすればよいでしょうか?

  
万一、赤ちゃんが間違って飲んでしまったら、慌てずにいつ、何をのどのくらい飲んだか、どんな様子かを確認しましょう。

困った時には、病院や薬局、小児救急でんわ相談(#8000)などに相談しましょう。



 ◆   乳幼児の誤飲について  ◆ 

≪はじめに≫
 近年、消費者安全調査委員会の調査等(消費者庁調査報告書)において、子どもによる医薬品誤飲事故が多く発生していることが報告されており、中には入院に至るような重い中毒症状を呈すると考えられる向精神薬等の誤飲の発生も認められています。

 また、平成27年3月に厚生労働省が公表した「平成25年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」では、誤飲対象が「タバコ」を抜いて「医薬品・医薬部外品」が、報告件数1位となっています。

乳幼児の誤飲の多くは、大人が使ったものを適切に後始末していないことが原因となって起こります。
子どもは大人よりも目線が低いので大人が気づかないものを見つけてしまいます。母子手帳などにある「誤飲チェッカー」を使い、子どもと同じ目の高さで室内を観察して誤飲の原因となるものがないか確認をしてみましょう。






乳幼児の誤飲事故防止ガイドヒヤリ・ハットレポート No.3(東京都)では、乳幼児にまつわるヒヤリ・ハット体験や危害の経験を掘り起こすためにインターネットアンケート調査を行いました。
その結果、乳幼児の誤飲事故は、日常生活の様々な場面で起きていることがわかりました。このガイドには、調査結果に基づいた、乳幼児の誤飲事故を防止するためのポイントがまとめられています。

この中で、医薬品の誤飲は、紙類(522人)、シール(502人)、シャボン玉液(414人)に続いて4位(354人)になっています。
シールやポリ袋など窒息を引き起こす危険があるものの誤飲には特に注意が必要です。



 ◆  医薬品の誤飲事例  ◆ 

祖母が飲もうと置いていた薬(向精神薬)を誤飲。その後、ふらつき、傾眠傾向が見られ入院(1歳)」。
「病院でシロップ薬を処方され帰宅。親が下の子の世話をしている間に、全量飲んでしまい、経過観察のため入院となった(1歳)」
・・・などなど。

吐き気や腹痛、下痢、頭痛などの症状のほか、薬の種類や飲んだ量によっては、重篤な意識障害などに陥り、救急車で搬送されるケースもあります。


≪子どもによる医薬品誤飲事故の事例≫ (代表的な4事例)

@子どもが足場を持ってきて手に取った医薬品を誤飲したと推定される事故



A置き忘れた医薬品を誤飲した事故



B兄の治療中に弟が医薬品を誤飲した事故



C甘い味のするシロップ剤を大量に誤飲した事故



 


 ◆  赤ちゃん・子供による 薬の誤飲を防ぐために  ◆ 

大日本住友製薬の作成したビデオでは、


子どもの成長期ごと(生後6ヶ月〜1歳半/1〜2歳/2歳〜/3歳〜)に気を付けるポイントや、具体的な誤飲防止策、事故発生時の対応方法について、イラストを用いた動画でわかりやすく解説しています。

たとえば、生後6ヶ月から1歳半くらいまでは、身近にあるものをなんでも口に入れてしまう時期。
飲み薬だけでなく、チューブに入った軟膏などの薬も、なめたり噛んだりすることがあります。
1〜2歳ごろになると、なんでも大人のマネをしたがるので、薬は子どもの見ていないところで飲むようアドバイスしています。

誤飲防止のチェックポイントとして、次の8項目をあげています。
1.薬は子どもの見ていないところで飲む。
2.薬は子どもの見えない、手の届かない場所にチャック付きの袋、密閉容器などに入れて保管する。
3.薬箱は開けたらすぐに閉める。
4.薬のふたはしっかり閉める。
5.薬の保管場所に踏み台になるようなものは片づける。
6.子どもに薬は甘い味であっても、ジュースやお菓子ではないことを理解させる。
7.薬をお菓子の箱に入れない。
8.おじいちゃん、おばあちゃんの薬にも注意する。

それでも、もし誤飲してしまったら、医療機関に「薬の名前」「いつ、どれくらい飲んだか」「子どもの状態」を伝えて相談を。
受診する際は、「誤飲した薬の現物」と「お薬手帳」を持参するようアドバイスしています。



 ◆  誤飲事故発生時の対応  ◆ 

仮に誤飲事故が発生した場合でも、迅速かつ適切に対応することにより、重症化するリスクを低減することができます。

万が一、誤飲した場合には、子どもの状態や薬の名称・飲んだ量を確認した上で、直ちに専門の相談機関に連絡するか、必要に応じて医療機関を受診してください。

誤飲した際の相談機関としては、「小児救急電話相談(#8000)」や「公益財団法人日本中毒情報センターの中毒110番」が挙げられます。

なお、相談される際、効果的に相談して的確な回答を得るためには、誤飲した医薬品名や摂取量等、誤飲事故の発生状況を正確に伝えることが重要です。




 ◆  相談機関(例)  ◆ 

@「小児救急電話相談」
 連絡先 ■#8000 
※全国同一の短縮番号(#8000)をプッシュすることにより、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送されます。

A「中毒110番・電話サービスの利用方法(一般専用)」
 ■大阪中毒110番(365日 24時間対応) 072-727-2499(情報提供料:無料)
 ■つくば中毒110番(365日 9時〜21時対応) 029-852-9999(情報提供料:無料)

消費者庁誤飲防止ポスター

消費者庁ホームページ


 ◆  製薬企業の取り組み  ◆ 

 製薬企業は安全に医薬品を使用できるように、薬のシートから、ある程度の力がないと薬を取り出せないようにしたり、チャイルドレジスタンス包装容器(子どもには開けにくく、大人には開けにくくないように工夫された容器)の使用を進めています。

 また、1錠ずつ切り離した薬のシートをそのまま飲んでしまい、食道を傷つけたりするケースもあります。
これは、赤ちゃん・子供だけではありません。高齢者でも多くの事例が報告されています。
そこで、1錠ごとに切り離せないように、薬シートのミシン目の工夫等が検討されました。




 ◆  最後に  ◆ 

乳幼児のくすりの誤飲は大人の責任。
くすりは子どもに見えないところ、高いところ、手の届かないところで保管しましょう。

(日本製薬団体連合会ポスター)

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