
その168(2021年6月号)
- 薬が大きくて飲み込めません。砕いて飲んでも良いですか?
-
薬には砕いて飲んで良いものと、砕くと効果が強くなり過ぎたり、副作用が出やすくなり、砕かない方が良いものもあります。
薬を砕いて良いかどうかは薬剤師にご相談ください。
錠剤の種類によって砕けるかどうか判断できます
錠剤には、薬がより効くようにいろいろな種類があります。その種類によって砕けるか判断できますので少し詳しく見ていきましょう。素錠
![]() |
薬の有効成分に添加剤などを加えて混ぜ、圧縮形成したものが素錠です。 素錠は基本的に砕いても問題はありません。 |
糖衣錠・フィルムコーティング錠
![]() |
糖衣錠・フィルムコーティング錠は、砕くと、苦みや臭いが出ることがあり、飲みにくいことがあります。 糖衣錠:糖で錠剤を薄く覆うことで飲みやすい フィルムコーティング錠:高分子化合物などで薄く覆うことで薬の変質を防ぐ |
腸溶錠
![]() |
胃に対する刺激を軽減、胃酸で分解しないように、腸で薬が溶けるように設計された薬です。 腸溶錠を砕くと、胃に刺激を与えたり、成分が胃酸で分解されてしまします。絶対に砕かないようにしましょう。 |
徐放錠
![]() |
薬の有効成分をゆっくり出すよう設計された薬です。 砕いてしまうと薬の有効成分が早く出てきてしまい、薬の効きが強く出てしまったり、副作用が出やすくなってしまったり、薬の持続時間が短くなってしまいます。砕かないようにしましょう。 |
口腔内崩壊錠
![]() |
口の中ですぐに溶解、または崩壊するよう設計された薬です。 口腔内崩壊錠は、基本的には砕いても問題ありません。 お水で飲まなくても口の中の唾液で錠剤が崩れて粉になります。 |
チュアブル錠
![]() |
口腔内で噛み砕いて飲む錠剤です。錠剤が大きくて飲めない、飲み込みにくい方が、錠剤を口の中で噛み砕くことによって薬が飲みやすくなります。 チュアブル錠は、噛み砕いて服用する薬なので、砕いても問題ありません。 |
錠剤が大きくて飲めない場合、砕く以外にも良い方法があります
安易に錠剤を砕くと思わぬ副作用が出たり、薬の効きが悪くなることがあります。もし大きくて飲めない場合は薬剤師に相談しましょう。以下のような提案があります。対応1
錠剤をみて、割線があれば、割線に沿って割って小さくして飲むことができます。割っても指示された錠数分を服用してください。
対応2
錠剤をより飲みやすい口腔内崩壊錠へ変更してもらうことができます。薬剤師に相談ください。お水で飲まなくても口の中の唾液で錠剤が崩れて粉になりますので飲みやすいですよ!
対応3
オブラートに包んだり、ゼリーに混ぜて飲みやすくする方法があります。詳しくは、くすり問答その157を参考にしてください。

薬剤師に必ず相談を
錠剤が大きくて飲めない場合の対応はいかがでしたでしょうか? 薬は、適切に服用してしっかりと体に効かせることが大切です。薬で困ったことがあれば、自分勝手な判断をせず必ず薬剤師にご相談ください。