
その173(2021年11月号)
- 薬を飲み忘れました。どうしたらよいですか?
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処方された医薬品の飲み忘れに気づいても、あわてて服用しないようにご注意ください。服薬するタイミングによって効果が弱くなったり、強くなったりする可能性があります。
かかりつけ薬剤師に確認しましょう。
薬を飲み忘れたとき、あわてて飲まないで!
薬を飲み忘れたことに気づいた時、あわてて薬を飲まないように注意してください。なぜなら効果が強くなったり、弱くなったりして危険な場合があるからです。薬の効果に影響を及ぼす主な原因として「食事」、「他の薬との飲み合わせ」、「服薬間隔」があります。具体例を見てみましょう。

食事の影響
空腹時、食後などの状況で薬の効果に影響がでる場合があります。具体例を少しだけご紹介します。- 空腹時に服用しないと吸収が低下する薬
- ビラノア(アレルギーの薬)
- ボナロン(骨粗鬆症の薬)
- 食事の後に服用しないと吸収が低下する薬
- エパデール(脂質代謝異常症の薬)
- 食事の前に服用しないと十分な効果が期待できない薬
- グーフィス(便秘の薬)
- シュアポスト(糖尿病の薬)
他の薬との飲み合わせによる影響
複数の薬を服用している人は、飲み忘れた薬を別のタイミングで服用すると、他の薬との有害な相互作用が生じる場合があります。具体例をいくつかご紹介します。- マグミット(便秘の薬)とクラビット(抗生剤)
- 同時に服用するとクラビットの効果が減弱し、期待される効果が得られない可能性があります。
- メトトレキサート(リウマチの薬)とロキソニン(解熱鎮痛剤)
- 同時に服用するとメトトレキサートの効果が強くなり、副作用が生じる危険性が上がります。
服薬間隔の影響
飲み忘れに気づいて、焦って2回分を一度に飲むと薬の作用が強くなり、思わぬ副作用が生じる可能性があります。服薬間隔を十分に空けるようにしましょう。推奨される間隔は、おおむねつぎの通りです。参考にしてください。
- 1日3回飲むお薬の場合、4時間以上
- 1日2回飲むお薬の場合、5時間以上
- 1日1回飲むお薬の場合、8時間以上
薬剤師との繋がりを作ろう!
ご覧いただいたように数例だけ見ても、薬を飲み忘れた時の対応は一筋縄でいかないことがわかると思います。安全な服薬を継続するために薬剤師との繋がりを作りましょう!信頼できる薬剤師に「かかりつけ薬剤師」になってもらうのが安心です。かかりつけ薬剤師がいなくても、あなたがいつも薬をもらっている薬局に相談してみてください。きっと親身に対応してくれます。飲み忘れが頻繁にあるようなら、それ防ぐための相談もしてみましょう。また、夜間でお店が閉まっている時間でも、地域薬剤師会の夜間当番薬局があります。新聞やインターネットで調べて連絡してみましょう!
薬剤師はいつもあなたの良きパートナーです。
