
その174(2021年12月号)
- 薬局で買える胃薬の選び方を教えてください。
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様々な胃薬が売られており、成分もそれぞれ異なりますが、選び方を間違えると期待した効果が得られないこともあります。
どんな症状なのかを薬剤師に伝え、適切な薬を選ぶようにしましょう。
胃薬にはどんな成分が含まれているの?
薬局で買える胃薬に含まれる成分には、以下のようなものがあります。- H2ブロッカー(ファモチジン、ニザチジンなど)
胃酸の分泌を抑えます。 - 抗アセチルコリン剤(ブチルスコポラミン、チキジウムなど)
胃腸のけいれんを抑えたり、胃酸の過剰な分泌を抑えます。 - 制酸剤(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルなど)
胃酸を中和します。 - 胃粘膜修復剤(アルジオキサ、テプレノンなど)
胃の粘膜を修復、保護します。 - 健胃剤(生薬など)
胃の動きを改善したり、苦味や芳香で唾液や胃液などの分泌を促します。 - 消化酵素剤
消化を助けます。
など、胃薬には、このような成分が単独、または複数含まれています。

こんな時には、どんな胃薬を選べばいいの?
空腹時にシクシクと胃が痛む
胃酸が出過ぎているかもしれません。H2ブロッカーで胃酸の出過ぎを抑えたり、制酸剤で胃酸を中和することで症状が改善される場合が多いです。胃粘膜修復剤と併用しても良いです。胃がもたれる
胃の動きが鈍くなり、うまく消化できずに食べ物が長く胃にとどまることで起こります。健胃剤や消化酵素剤で胃の動きや消化を助けてあげると効果的です。
胃酸は食べ物を消化するのに大きな役割を果たしています。胃がもたれている時に、H2ブロッカーや制酸剤などで胃酸を抑えてしまうと、消化する力がさらに落ち、胃もたれが改善されなかったり、かえってもたれる感じが強くなる場合があります。
胃薬を選ぶときは、今の気になる症状を薬剤師に伝え、一緒に選んでもらうのがベストです。
胃薬を選ぶときは、今の気になる症状を薬剤師に伝え、一緒に選んでもらうのがベストです。

胃薬を使う時、注意することは?
- 治療中の病気があったり、他に飲んでいる薬や健康食品、サプリメントなどがある場合、胃薬に含まれる成分によっては、飲むのを避けた方がよいものもあります。薬剤師に相談してください。
- 激しい胃の痛みがある、しばらく使い続けても良くならない、使うのをやめると症状がぶり返すなどの場合には、医療機関を受診して、医師の診察を受けてください。
12月11日は「イニイイ」=「胃腸の日」です。
腹八分目を心がけ、食後はなるべく休息の時間をとって、健やかな胃を保ちましょう。
腹八分目を心がけ、食後はなるべく休息の時間をとって、健やかな胃を保ちましょう。
