
その182(2022年8月号)
- 目が乾くのですが、何か良い目薬はありますか?
-
目の乾きの原因として、涙量の減少と、涙液のうるおい成分の減少のふたつが考えられます。
市販の点眼薬がありますので、まずはお近くの薬局・薬剤師までご相談下さい。

ドライアイとは
ドライアイとは文字通り目の乾きのことを言います。乾き目、眼球乾燥症候群とも呼ばれ、日常生活に大きな支障が出ることがあります。今現在、国内において軽傷・重症含め約2200万人もの患者がいるそうです。ドライアイの根本的な原因は大きく二つに分けられます。ひとつは涙量自体の減少、もうひとつは涙液の中に含まれる潤い成分の減少によるものです。その結果ゴロゴロ感や痛み、充血、かすみ目、疲れ目、まぶしい、目が重いなどの症状が出ます。
ドライアイの原因
ドライアイの原因として考えられているのは加齢・高齢化による目の機能の衰えです。涙量の減少、涙のうるおい成分の減少や、涙に含まれる油分の減少などが主な症状です。また、涙液が多すぎて各々のバランスが崩れることもあります。日常生活においてパソコンやスマートフォン、ゲーム機などの画面を見続けることによるまばたきの回数の減少、エアコンの使用、長時間の運転、さらにはコンタクトレンズの使用も大きく影響します。自転車やバイクの運転、ウォーキングやジョギングなども目の乾きの原因となります。

ドライアイの対処法
ドライアイの対処法としてまずは日常生活における環境の改善、目の乾きの原因となる状況をできるだけ避けることが必要です。パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの使用時には積極的にまばたきを心がけ、正しい姿勢を保つことが必要です。エアコン使用時には風を直接浴びない(風向きの配慮)ようにする、さらにコンタクトレンズを使用中の方は涙液の点眼液を用いたり、眼鏡との併用も検討してみて下さい。ウォーキング、ジョギングの際、自転車・バイクに乗るときには眼鏡やサングラスの使用もかなり効果的です。 また、就寝前などに目の周りを温めて、血行を促進させることも目の働きを回復させるために良いと言われています。

ドライアイに効く目薬
ドライアイに効果のある市販の目薬が販売されています。人工涙液
涙に近い成分(塩化ナトリウムなど)を含んだ点眼液です。涙液が不足して乾燥した時に用います。ソフトコンタクトレンズ使用時にも点眼できるものもあります。涙液のうるおい成分を含む目薬
人工涙液に粘り気のある成分を配合した目薬です。角膜の保護作用の成分を含む目薬
目の角膜の保護成分(コンドロイチンなど)を含む目薬です。油分を配合した目薬
涙液のうるおい成分(油分の代わりにセサミオイルなどの油分)を配合した目薬です。市販の目薬は様々なタイプがあります。コンタクトレンズ使用時に使える点眼液、使えない点眼液、防腐剤の入っているものや入っていないものなどがあります。ぜひお近くの薬局・薬剤師にご相談下さい。
最後に
ドライアイの原因は様々で誰もがなりうる病気です。ドライアイの治療として、以下の3つに注意し点眼液を用いて治療してください。- 涙液、油分、うるおい成分、それぞれ不足しているものをきちんと補う
- 涙液をきちんと分泌させる
- 傷や炎症にならないようドライアイを悪化させない
ドライアイは軽症の時にはなかなか症状に気づかず、知らず知らずのうちに悪化させてしまうことがあります。市販の目薬を使用したけれど改善がない、繰り返し症状が出るようなら早期に専門の眼科で診察・検査を受けてください。
思い込みで判断するのではなく、実際にご自身がどのタイプのドライアイか医師に確認してもらいましょう。もしかすると別に原因があるかもしれません。しっかりとした診断、治療が回復への近道となります。
