
その186(2022年12月号)
- 下痢の時はどんな薬を飲めばよいですか?
- 腸内細菌の環境を整えたり、腸の動きすぎを抑えるなど、さまざまな下痢の薬が売られています。症状によっては、薬で下痢を止めてしまわない方が良い場合もあるので、症状を医師・薬剤師に相談し、適切な薬を選びましょう。
下痢って?
便の水分量が異常に増えて(水分が80~90%)液状になり、これを繰り返し、腹部不快感や腹痛をともなう状態を下痢といいます。
下痢の原因は?
ストレス、暴飲暴食、冷え、消化不良など
腸の動きが異常に高まり、便が腸を通過する速度が速くなり、便の水分を吸収できずに下痢が起こります。食あたり(食中毒)、水あたり、食物アレルギーなど
腸の粘膜から腸液などが過剰に分泌されたり、腸の粘膜の傷や、細菌性の毒素などにより、腸内に水分などが過剰に分泌されることで下痢が起こります。ある種の下剤、サプリメントや人工甘味料のとりすぎなど
腸内の浸透圧が上がり、水分や電解質の吸収が十分にできなくなることで下痢が起こります。
下痢の薬にはどんなものがあるの?
腸管の運動を抑えたり、正常化させる薬
ロペラミド、ロートエキス、木(もく)クレオソートなど整腸剤:乱れた腸内細菌のバランスを整える
ビフィズス菌など殺菌剤:腸内の悪い細菌を殺す
ベルベリンなど腸壁の粘膜を保護する薬
タンニン酸アルブミン、次硝酸ビスマスなど
下痢になった時に、注意することは?
- 脱水症状を防ぐため、水分・電解質をしっかり補給する
できれば常温か、温めて補給するのがよいでしょう。 - 食中毒などが疑われる場合は、安易に下痢止めを飲まない
下痢は、有害な菌や物質を体の外に出そうとする反応でもあります。薬で下痢を止めてしまうと、有害な菌などを腸内にとどめておくことになり、状態が悪化する場合もあります。 - 激しい腹痛や血便が見られる場合や、長く下痢が続く場合などは、医療機関を受診して、医師の診断・治療を受ける
- 食事は消化の良いものをとり、油っぽいものや刺激の強いものは避ける
年末年始に向かうこれからの時期、腸もすこやかにすごしたいものですね。
