今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A
その210(2024年12月号)
Q
繰り返す口唇ヘルペスに悩んでいます。よいお薬はありますか?
A
あらかじめ飲み薬を処方してもらい、体の中でウイルスが増殖する初期に患者さんの判断で服用する治療法もあります。お困りの方は、まず医療機関にご相談してみてはいかがでしょうか。

口唇ヘルペスとは

繰り返す口唇ヘルペスに悩んでいる方は少なくありません。疲労や生理前、風邪による免疫力の低下など、要因は様々です。唇やその周りにピリピリ・チクチクといった違和感があった後、痛みを伴う水ぶくれができ、3~5日程度でかさぶたになって治っていきます。鼻や目の周りにできることもあり、見た目が気になる方も多いのではないでしょうか。

口唇ヘルペスの原因

単純ヘルペスウイルスによる感染症です。成人の約半数がすでに感染していると言われており、免疫力が低下したときにウイルスが活発になり皮膚表面で症状が出ます。
口唇ヘルペスの症状がなくてもウイルスは体内の神経に潜んでいます。残念ながら、単純ヘルペスウイルスを排除する方法はありません。

口唇ヘルペスの治療法

飲み薬での治療が一般的で、医師から処方箋をもらう必要があります。ヘルペスウイルス治療薬はウイルスを減らすのではなく、ウイルスが増えるのを抑えます。できるだけ早く薬を服用してウイルスを増やさないようにすることで、治るまでの期間を短くすることができます。

水ぶくれができる前の対処法

口唇ヘルペスを繰り返し発症している方は、あらかじめ飲み薬を処方してもらい、ピリピリ・チクチクといった違和感があったらすぐに薬を服用する治療法もあります。保管している薬がなくなったら、受診して薬をもらっておきましょう。
再発の前兆があったら、患者自身の判断ですぐに薬を飲みます。症状を軽くしたり、症状が出ずに済む場合もあります。

水ぶくれができてからの対処法

なるべく早く受診して薬を服用しましょう。症状が治まっても、体の中ではウイルスが増殖しているかもしれないので、処方された薬は途中でやめず原則飲み切ってください。

塗り薬について
口唇ヘルペスの市販薬はすべて塗り薬です。症状が軽ければ塗り薬という選択もありますが、再発に対してのみ使用が可能です。初めて発症した場合には必ず病院を受診し、まず医師による口唇ヘルペスの診断・治療を受けてください。医療機関で診断・治療を受けた方のみ購入できます。