
その213(2025年3月号)
- 電子処方せんって何ですか?
- 電子処方せんとは、医師が電子処方せん管理サービスにお薬の情報を登録し、薬局で情報を引き出して調剤する仕組みです。複数の医療機関の情報を確認できるため、飲み合わせの悪いものや同じようなお薬が出ることを防ぎやすいメリットがあります。
電子処方せんとは
電子処方せんとは、これまで紙で発行していた処方せんを電子化したものです。患者さんにとってもメリットのある仕組みです。電子処方せんのメリット
紙の処方せんが不要になります!
これまでのように、紙の処方せんを薬局に持って行く必要がなくなります。薬局が電子的に処方せんを受け取ることができるので、患者さんは処方せんを失くしたり、調剤時に忘れたりする心配がなくなります。また、今よりもっと便利に自宅でオンライン診療・服薬指導を受けられるようになります。過去のお薬や飲み合わせの確認がスムーズに!
医療機関・薬局では過去に飲んでいたお薬や他の施設で出されているお薬を見ることができるようになります(患者さんが同意した場合のみ)。他で処方されたお薬と飲み合わせの悪い処方を防いだり、効能が同じお薬のもらい過ぎを防いでお薬の費用も抑えることができます。お薬の情報をリアルタイムに自分で確認できる!
スマートフォン等で、マイナポータルからいつでもお薬情報を確認できるようになります。お薬情報を見て自身の健康管理ができたり、処方されたお薬が分かるので市販薬を買う際に飲み合わせの確認に活用できます。普段の利用が事故や災害時の備えになる!
避難した際にお薬手帳を持ち出せなかった場合でも、スマートフォンでお薬情報が確認できるので事故や災害時の備えになります。スマートフォンを持っていない場合でも、緊急時はデータベースに登録されたお薬情報を医師・薬剤師が確認することができるので安心です。電子処方せんのしくみ
電子処方せんのデメリット
導入が進んでいない医療機関・薬局もある
電子処方せんのシステム導入には初期費用や運用コストがかかることもあり、導入が進んでいない医療機関や薬局もあります。全国的に拡大傾向とはいえ、すべての医療機関、薬局が導入しているわけではない点に注意が必要です。プライバシー保護対策を行う必要がある
患者さんの個人情報や医療データのデジタル化によって、情報共有が便利になる反面、不正アクセスや情報漏洩のリスクは増加します。薬局としては、プライバシー保護対策をしっかりと行う必要があるでしょう。薬局で調剤を受けるには
電子処方せんで調剤を受けるには「マイナンバーカード」または「資格確認書/健康保険証・引換番号」が必要です。マイナンバーカードで受付する場合は、顔認証付きカードリーダーにカードを置いて、画面の案内に沿って操作をします。資格確認書/健康保険証で受付をする場合は、窓口で電子処方せんを利用したい旨を伝え、医療機関から発行された引換番号を伝えてください。
薬局では「マイナンバーカード」または「資格確認書/健康保険証・引換番号」の提示後、初めて電子処方せんの情報にアクセスできるようになります。電子処方せんを選んだとしても、来局した際に薬が準備されているわけではないのでご注意ください。
詳しい内容は、厚生労働省のホームページをご確認ください。
電子処方せん(国民向け)(厚生労働省ホームページ)
