今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A
その169(2021年7月号)
Q
新型コロナウイルスワクチンのメリット・デメリットは何ですか?
A
新型コロナウイルスワクチンには、感染症の発症や重症化を予防する高い効果が期待されていますが、副反応のリスクもあります。接種後は、接種部位の痛みやだるさ、発熱などの副反応が発生することがありますが、ほとんどは2、3日以内に回復します。

新型コロナワクチンの特徴

新型コロナワクチンには、重症化を防いだり、発熱やせきなどの症状が出ること(発症)を防ぐ効果があります。接種を受けていただくことで、重症者や死亡者が減ることが期待されています。一方で、接種後の副反応として、接種部位の痛み、頭痛・倦怠感、筋肉痛などが報告されているほか、ごくまれに、接種後のアナフィラキシー(急性のアレルギー)が報告されています。
多くの方が接種することにより、感染症が広まりにくい社会を回復する可能性があります。

新型コロナワクチンに関する情報(長野県:新型コロナワクチン接種に関する特設ページより)

新型コロナワクチンの本格接種が始まっています。ワクチンについて正しく知っておきましょう。

「長野県新型コロナウイルスワクチン接種アドバイザーチーム」発行/監修の情報で、ワクチンの効果、副作用等がわかりやすく解説されています。
チラシ版
※画像をクリックすると、チラシのPDFファイルページが開きます。
出典:長野県新型コロナウイルスワクチン接種アドバイザーチーム
この資料は、2021年4月時点、ファイザー社製ワクチンに関することについて記載しているものです。資料の改変はできません。

接種メモ
※画像をクリックすると、チラシのPDFファイルページが開きます。
出典:長野県新型コロナウイルスワクチン接種アドバイザーチーム
この資料は、2021年4月時点、ファイザー社製ワクチンに関することについて記載しているものです。資料の改変はできません。

動画版
チラシの説明をわかりやすくまとめた動画
出典:長野県新型コロナウイルスワクチン接種アドバイザーチーム
この資料は、2021年4月時点、ファイザー社製ワクチンに関することについて記載しているものです。資料の改変はできません。

「教えて!!新型コロナウイルスワクチン」のページでは、今後使用される「モデルナ社製ワクチン」についても解説があります。

さらに詳しい新型コロナワクチンについての情報

ワクチンについてのQ&Aや、新型コロナワクチンを受ける流れについて(動画)、接種会場を探したり、どうやって接種を受けるかなどの情報を提供しています。

子供への新型コロナワクチン接種について

ファイザー製のコロナワクチンの接種対象が12歳以上に引き下げられたことを受け、日本小児科学会から、子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する見解が出されています。

要点

  • 子どもを新型コロナウイルス感染から守るためには、周囲の成人(子どもに関わる業務従事者等)への新型コロナワクチン接種が重要です。
  • 重篤な基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐことが期待されます。
  • 健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(感染拡大予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。

妊婦への接種について

日本産科婦人科学会から、妊婦への接種に対する見解が出されています。

要点

  • 海外と同様に日本においても、希望する妊婦さんはワクチンを接種することができます。
  • 妊娠中(特に後期)に新型コロナウイルスに感染すると、わずかだが重症化しやすいとされています。
  • ワクチンを接種することのメリットが、デメリットを上回ると考えられています。特に感染の多い地域や感染のリスクの高い医療従事者等や、糖尿病、高血圧、気管支喘息などの基礎疾患を合併している場合は、積極的に接種を検討してください。
  • 副反応は妊婦と一般の人に差はないが、頭痛や発熱した場合には、早めに解熱剤(アセトアミノフェン)を服用してください。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療について

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A
※日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会のがん関連3学会が合同で作成。

要点

  • がんの治療方法とワクチン接種時期の関係については、まだよく分かっていません。
  • ただ、接種のためにがん治療を遅らせることはしないように、基本的には接種できるタイミングでの接種が推奨されます。
  • もし、接種時期を調整できるのであれば、ワクチンの有効性という観点から、強い免疫抑制がかかっている時期を避けて接種を受ける選択肢もあります。

副反応、特に発熱時の対応について

代表的なお薬としてアミノフェンがありますが、イブプロフェンやロキソプロフェンなど、アミノフェン以外の解熱鎮痛薬も同様の効果があります。
病気治療中や妊娠中の人などは飲める薬が限られることがあるため、主治医や薬剤師へ相談をしましょう。

最後に

ワクチンを接種したことで、自分は感染症を発症しなくても、周りに広める可能性はあります。したがって、これまでと同様の感染予防は必要です。
最近、コロナ禍の状況に慣れてきて、感染対策がおろそかになっていませんか。
ワクチンを接種しても、感染対策は十分に行いましょう。

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