今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A
その176(2022年2月号)
Q
魚の目に効くお薬はありますか?
A
貼るタイプや塗るタイプのお薬があります。お近くの薬局・薬剤師までご相談下さい。
なお、痛みが強いようであれば皮膚科など専門の医療機関への受診も検討してください。

はじめに

足の裏に魚の目ができると痛くて困りますね。ジョギングやテニス、ゴルフなどのスポーツの時だけでなく、日常生活に支障が出ることもあります。魚の目は、男性、女性などの性別にかかわらずできます。
今回は魚の目の原因、その対処法や治療法に関してお話しします。

魚の目とは

一般的に魚の目と広く呼ばれていますが、正式な名前は「鶏眼」(けいがん)といいます。硬くなった皮膚の中心に目のような芯ができ、その見た目が魚の目のようになるためそう言われています。

魚の目の原因

足の裏の圧迫や刺激によって皮膚が徐々に厚くなり、皮膚の奥に芯のような核ができることが原因と考えられます。サイズの合わない靴を履いて歩いたり、ハイヒールなど足の一部分に負担がかかる靴を履いたりするほか、足の変形、外反母趾、歩き方のくせなどもその一因となります。
魚の目ができるとその中心の核が神経まで達し、圧迫されることで神経が刺激され痛みを感じます。

魚の目の対処法、魚の目に効くお薬

魚の目の保護パッドを使用することで一時的に痛みを和らげることができます。症状の増悪を防ぐ目的でも用いますが、あくまでも対処法であることをご理解ください。

魚の目の初期治療には、市販のお薬を用いることができます。絆創膏のように貼るタイプ、液体や軟膏、ジェルなどを直接患部に塗布するタイプがあります。塗るタイプのお薬は、こまめに使用を続けて症状を改善させます。また、貼るタイプは、患部に数日貼付したのち定期的に貼り替えを繰り返し、患部をふやかし柔らかくして切除します。ただ、ご自分で切除すると感染の原因となることもありますので、医療機関での受診をお勧めします。

強い痛みがある場合や、繰り返し出来る魚の目に悩まされている方は、皮膚科など専門の医療機関、クリニックなどで早めに診察を受けてください。ご自分で思っている以上に症状が増悪している場合もあります。

最後に

魚の目を予防するには、患部に負担をかけないようにすることが一番です。足に合わない靴を避けることはもちろん、今履いている靴でもご自身の足に合っているか、時おり確認してください。ハイヒールなどは足に負担がかかりますので、無理のない範囲で履くようにして、痛みのある時にはできるだけ避けるようにしてください。
学校の部活やランニング、サッカーや登山などのスポーツで足の裏に負担がかかることで魚の目ができることも多くあります。そのような時は、靴の中へクッション性の高い中敷きを入れるのも一つの方法です。また、入浴後にマッサージしたり、保湿作用のあるクリームを塗布するなど、患部へのケアが効果的です。

痛い魚の目ですが、自然に治ることはほぼありません。一度魚の目ができてしまうと皮膚の奥底にある芯、核が再発を繰り返すためです。そのため確実な治療や、普段から予防に取り組むことが必要になります。症状をすぐに改善させることは難しいですが、きちんとした治療で完治させることができます。
痛みにお悩みの方は、一度お近くの薬局・薬剤師にご相談下さい。また、症状が重い方は、医療機関で診察を受けてください。早期の診察・治療で痛みのない生活を送りましょう。