今月のくすり問答

薬の飲み方Q&A
その183(2022年9月号)
Q
子どもが蚊に刺されました。お薬はありますか?
A
子どもの虫刺されは、大人より症状が強く、長引きやすいのが特徴です。痒みや炎症を抑える軟膏や飲み薬があります。
なかなか治らない状態に陥ってしまうこともありますので、かかりつけ医師、薬剤師にご相談ください。
子どもの夏の皮膚トラブルのひとつに、虫刺されがあります。虫刺されに多いのは蚊によるものです。蚊に刺されただけだから...と処置を怠ると悪化につながる可能性も。
子どものお肌は敏感です!蚊に刺されたときの正しい対処法についてお話します。


子どもが蚊に刺されたときの症状

子どもの場合、最初に蚊に刺されたときには腫れないかもしれません。また、2回目以降でも刺されてすぐには症状が出ないことがあり、1~2日後に遅れて大きく腫れてくることがあります。特に1~3歳は大人よりも強く腫れて、1週間ほど続くことがあります。その間に掻きこわして、とびひなどの細菌感染を引き起こす恐れもあります。また、アトピーや皮膚の弱いお子さんは、特に強い症状が出てきます。

蚊に刺されたときに38℃以上の熱や、リンパ節の腫れ、刺されたところが腫れる場合には、かかりつけ医師に診てもらうようにしましょう。

おうちでできる対処法は?


1.痒みを抑える
  • 刺された場所を石鹸でよく洗い、流水で洗い流して清潔にしましょう。洗う場所がない場合は、ウェットティッシュなどで拭き取ります。
  • 刺されたところを冷やします。
  • 痒み止めの軟膏を塗ります。(市販のものを使用する場合は、対象年齢を確認したり、薬剤師に相談しましょう。)
2.掻きこわさないように注意
痒くて掻きこわしてしまうと、腫れが強くなったり化膿したり、悪化してしまうこともあります。虫さされ用のパッチなどを貼って保護するのも良いでしょう。爪が伸びていれば切るようにしましょう。
3.汗を拭いて皮膚を清潔にする
汗は虫刺されを悪化させます。汗はこまめに拭き取り、シャワーを浴びるのもよいでしょう。
4.腫れが強い時には病院へ
痒みがひどい、腫れが強い場合には、皮膚科または小児科を受診するようにしましょう。痒みや炎症を抑える軟膏や飲み薬を処方されることもあります。また蕁麻疹や嘔吐、息苦しさなど全身の症状がある場合は、急いで受診するようにしてください。

蚊に刺されないようにするために

虫よけを使う

虫よけの主な成分には、ディートやイカリジンなどが使われています。
ディートには神経毒性があるため、使用法をしっかりと確認し安全に使いましょう。ただし、主成分がディートの虫よけは、6か月未満の赤ちゃんには使用不可となります。生後6か月以降の赤ちゃんの場合でも1日1回程度の使用に抑えるようにしましょう。
イカリジンは効果があるとされる虫の種類がディートよりも少なくなります。しかし、イカリジンが主成分の虫よけは、年齢や使用頻度には制限がないので赤ちゃんには使いやすいでしょう。

服装の工夫

服装は、手足の露出を少なくする工夫をしましょう。虫よけ加工がされている子供用のメッシュパーカーなども販売されているので、外遊びの際には活用するのもおすすめです。

子どもの虫刺されは悪化しやすいので、予防に努めながらも初期の対応をしっかりしていきましょう。