その196（2023年10月号）
- スイッチOTC医薬品とはなんですか？
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OTC医薬品とは消費者が直接購入可能な医薬品です。「Over The Counter」の略で、薬局などのカウンター越しに説明・販売されることに由来しています。
その中で有効性・安全性について考慮されたうえで、医療用医薬品から切り替えられたものをスイッチOTC医薬品といいます。
医薬品の分類
医療用医薬品
医師もしくは歯科医師によって使用され、またはこれらの者の処方せんもしくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品のことを指します。処方せん医薬品
医師・歯科医師の処方せんに基づかなければ患者に授与できない医薬品例：麻薬、糖尿病薬、心臓病薬等
処方せん医薬品以外の医療用医薬品
上記処方せん医薬品以外の医療用医薬品例：ビタミン類、アセトアミノフェン等
OTC医薬品
医療用医薬品として取扱われる医薬品以外の医薬品を指します。一般の人が、薬剤師等から提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品であって、軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするものです。要指導医薬品
医療用医薬品に準ずるものであり、対面での情報提供や指導が必要な医薬品例：アレグラFXプレミアム®、ヒアレインS®、ガラナポーン®等（R5年8月現在）
一般用医薬品
第1類医薬品
日常生活に支障を来す程度の健康被害が生じるおそれがあり使用に関し特に注意が必要な医薬品例：ロキソニンS®、リアップX5プラスネオ®、ガスター10®等
第2類医薬品
日常生活に支障を来す程度の健康被害が生じるおそれがある医薬品例：タイレノールA®、正露丸®、キンカン®等
指定第2類医薬品
第2類医薬品のうち濫用の恐れや禁忌事項がある等特に注意を要する医薬品例：新ブロン液エース®、バファリンA®、ボラギノールA注入軟膏®等
第3類医薬品
第1類、第2類以外の一般用医薬品例：ムヒS®、サロンパス®、消毒用エタノール等
スイッチOTC医薬品とダイレクトOTC医薬品
スイッチOTC医薬品とは
従来医療用医薬品として使用されていた成分をOTC医薬品として転用（スイッチ）した医薬品のことを指します。医師の処方せんがなくとも購入が可能です。「長期間における使用実績がある」「副作用が比較的少なく他の薬剤との相互作用でも重篤な副作用がない」等の有効性や安全性についての条件を満たしたものが認可されます。全般的に医療用医薬品よりもリスクが低いとされます。
例：ロキソプロフェン、イブプロフェン、ヒアルロン酸ナトリウム点眼薬等
ダイレクトOTC医薬品とは
医療用医薬品として承認された新規有効成分が、国内で使用する段階を経ず直接（ダイレクト）にOTC医薬品として承認されたものを指します。医師の処方せんがなくとも購入が可能です。例：リアップ®等
まとめ
近年増大する医療費の抑制や医療機関への負担軽減を目的とし、セルフメディケーションの推進が叫ばれています。さらにOTC医薬品による薬物乱用報告など、その時代の社会的背景を鑑みて医薬品販売制度は都度変化します。このように日々更新される制度や医薬品、病気の情報に加え、地域の医療機関などの情報を独力で把握するのは至難の業です。対して薬局ではこうした疑問点に気軽に応えてくれる、薬剤師をはじめとした専門家が在籍しています。顔なじみのかかりつけ薬局をつくり、日々の健康増進に役立ててみてはいかがでしょうか。
